2008年12月31日水曜日

英語圏の進学学習塾・1年間を振り返って

学習塾というスタイルがサイパンにはなかった。
日本では当たり前の存在だが、アメリカ本土では、大都市圏の有名大学・中高一貫校の近郊に進学塾が存在する。

英語圏のサイパンで、学習塾をというアイデアは自分で考えたことではなかった。
もともとマーケティングリサーチ・ファイナンシアルプランナーのプロであった私達が、地元に居住している日本人・チャモロ人・アメリカ人そして韓国人などの父兄から、算数を教えて欲しい、日本語を教えて欲しいとのリクエストがそもそものきっかけであった。

サイパンは少子化ではないので子供の数は人口に比較すると多いが、教育水準が低いのではないか、マーケットが小さいのでは、学校以外の教育にお金をかける保護者がいるのかなど、スタートするまでは試行錯誤だったが、リクエストがある以上受けて立とうと学習塾を4年半前にスタートさせた。

日本のように組織化・体系化された学習塾ではなく、現地の学校のテキスト・カリキュラムもすべて異なっていたので、あくまでも個人指導をせざるを得ない状況であった。
学習塾といっても、実際は補習塾で学校で解らなかったことを、補習し理解できるようにすること。小学3年生~4年生に、繰り下がりの引き算や掛け算、はたまた時計の読み方など、日本のレベルで考えると信じられない底辺からのスタートであった。

ところが1年を過ぎると、いつの間にかリクエストがどんどん高度になり、中高一貫の私立中学受験・進学高校の数学・SATなど、これも多彩な父兄の要望に変わってきた。
数年間続いている生徒もいるが、リクエストベースで尋ねてくる地元の父兄や生徒は、今までとはメンバーが入れ替わり、アメリカの有名大学進学を視野に入れている生徒が多数を占めるようになってきた。

当方もそれに対応するため、教科を編成し、高度になるリクエストに応えるべく、トップクラスの生徒たちに対応できるように勉強し、努力もした。
ここ3年間は、そのリクエストベースに対応することによって、やっとKohinoorのアメリカ大学進学ノウハウが確立できたのではないかと自負している。

来年からは、今までにないリクエストが今度はサイパン発信ではなく、日本発信の留学生を迎え入れることになっている。
幼稚園生の親子留学・日本の医学部受験を目指す留学・帰国子女枠制度と一般入試両方を目指す留学など、どんどん高度になるリクエストに応えるべく、昼夜頑張らなくてはならないと心に決めている。

リクエストが高度になればなるほど、燃えるのが私の性分で、またKohinoorのノウハウとして蓄積されていくことであろう。
英語圏であるサイパンの優秀な生徒のほとんどが、韓国人で占められている現状を、なんとか打破し、日本人生徒達が、トップクラスを独占し、日本・アメリカの有名大学に合格したことを伝える現地新聞の写真入り大記事になることを夢見て、来年度に向けスタートすることにした。

1~2年間では難しいであろうが、3年間あれば留学してくる生徒たちを、その学年においてNo.1にするノウハウは蓄えてきたつもりだ。
留学するその行為自体は大変有益なことではあるが、成績優秀もまた、その地で一生懸命勉強したという証だ。
勉強した分、英語力・異文化コミュニケーションの能力が上がっていることは言うまでもない。

単なる二ケ国語を操るバイリンガルを創生する留学は、世界情勢を見ていると、もう時代遅れではないかと思う。
世界で通用するためには、英語は出来て当たり前だから、プロとして何ができるかを満たすだけのスキル・資格を取得するためのステップとして留学を位置づける、そのような意識改革が必要だ。

日本を離れて、10数ヶ国の人種が居住するここサイパンで、様々な人種の生徒たちを見ていると『留学生だから英語が上手だ』だけでは、生き残っていけない世界情勢が間近に迫っていることをひしひしと感じる。

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