2008年12月20日土曜日

英語圏で教える日本語と、学ぶ英語

年末も押し迫った頃、サイパンのローカルであるチャモロ人の女子高生から、日本語のプライベートレッスンを頼まれた。
日本人の高校生が交換留学で、サイパンにホームステイで1週間来ることになったということだ。

最初に母親から電話があり、政府に勤務していますというで実際に会ってみると、なんと警察官。
確かに政府関係ではある。
日本語をしゃべれるようになりたいからと、週2回4時間の集中レッスンを行うことになった。

来年6月には、その生徒が今度は日本にやはり1週間行くことになっている。
そのためにも日本語は不可欠だからと昨日から、必死になって勉強している。

来年卒業して、オレゴン州立大学を目指しているということだけあって、なかなかの秀才である。
ひらがなは、すぐ覚え簡単な挨拶はできる程度にすぐなった。
ただここからが日本語の難しいところで、わたしのお父さんはダメ、私の父と言いなさいとか、Theyは彼ら、彼女たちと男性・女性代名詞に区別するなど、教えていながら、やはり日本語をマスターすることは、外国人にとって難しいとつくづく思う。

英語のシンプルさを覚えた留学生たちが、英語の方が日本語よりコミュニケーションが楽だというのがよくわかる。
日本語の尊敬・謙譲・丁寧語などの表現が特に難しい。
形容詞も文の中で変化する。何気なく使っている日本語が、こんなに厄介な言語なので、日本の教育界のお偉方が、小学生からの英語教育に反対するのも、判らないではないような気もする。

母国語である日本語をマスターするより先に、英語に傾倒していく小学生が増えることは間違いないだろう。
しかし、多ケ国語をマスターできる才能は、子供ならだれしも持っているはずなので、環境あるいは教育方法によっては、マルチバイリンガルの小学生を育成することはそんなにも難しいことではない。

インド人の多くの人たちは、数ヶ国語を無理なく操れる。
これは、言語学上多分特殊な才能が、インド人には隠されているのではないかと思えるくらいに、見事に操る。

英語圏であるサイパンで、日本語を教えることも、日本人ならではできることかもしれないが、その逆もしかり。
アメリカ圏で英語を教えるスキルのある人に学べば、間違いなく英語は話せるようになる。
かかる期間は、先生・レッスン時間・本人の基礎力など様々な要因に左右されるが、日常的な会話は英語の場合、そんなに複雑な言語ではない。

幼少の頃から英語圏で過ごせば、英語が話せるようになる、もちろんこれは真実。
ただ、日本語を教えていて解る事だが、日本語を日本人並みにマスターさせるには、数年かけても難しいのではないかと思っている。
その逆も真なり、英語をマスターするためには、数年かけないと英語圏の人並みに英語を駆使することは難しいと思う。

それゆえ、もし英語をマスターしたいなら、できるだけ頭が柔軟性を持っていて、英語に対しての拒絶意識がない状態でスタートした方が、ずっと自然に英語を習得できる。
その年齢は、私が今までKohinoorで見てきた留学生を振り返ってみると、やはり保育園・幼稚園~小学校1~2年生が限界ではないかと思う。

この幼少時代の生徒が、一人で留学することは難しいと思われるので、保護者の方・お父さんお母さんが、もし理解があるなら子供に同行し、親子留学の形式を取ることが、子供の不安や健康面での管理も含め、理想的な留学になるのではないかと思う。

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