2008年12月12日金曜日

アメリカの看護師資格

日本は看護師が大幅に不足している。
この状況はアメリカでも同じことだ。

看護師資格を持っている人は、比較的高給で病院に勤務している。
勤務は確かに激務であると聞くが、病人の世話をする世の中になくてはならない職業である。

以前ER(Emergency Room)というアメリカでエミー賞をとったテレビドラマを一話も欠かさず食い入るように見ていた時期があった。
その中に出てくる一般会話の部分は理解できたが、ER(緊急治療室)内での、医師と看護師間の病理専門英語にはさすが解らないVocabularyが多かったことを記憶している。
看護師は、その専門英語を理解でき、医師に匹敵するくらいの知識がないと務まらないのだなと感心したものだ。

アメリカの看護師になるには大学で150単位以上が必要だ。
これは、他の学部に比べると確かに多い。
人間の生命を預かるわけだから知識取得にかかる時間は、当然のことながら大変なわけだ。
その後NCLEX(看護師になるためのテスト)のテストに合格すれば、晴れて看護師となることができる。

サイパンにもNCLEXテスト会場があったので、フィリピン人が年間数百名受験していた。
アメリカは遠いし、ビザが取得しづらいという理由から。
現在サイパンの北マリアナ大学で看護師学科があるが、以前ほどの学生はいないと聞いている。

Kohinoorの生徒のお母さんも看護師だったが、今年アメリカ・カリフォルニア州に転職した。
サイパンはますます看護師不足、薬剤師不足、もちろん医師不足に泣いている。
日本の国家資格がアメリカ(サイパン)でも通用すれば、サイパンに来る意志のある医師や看護師はいるのに、国家間の医療の法制度は何とかならないものだろうか。
アメリカからも多分同じことを言われているのだろうな。
日本は閉鎖的だと。

日本においては、特別養護老人施設のヘルパーの人材不足も顕著になっている現在、サイパンに居住している中国の看護師達はそれを知って、ぜひ日本で介護の仕事をしたいと、どういうわけかKohinoorに連絡が来る。
大勢居住しているフィリピン人のケアギバー(ヘルパー)資格も持った人たちも同様だ。
彼(女)たちは、サイパンで本来の職種ではなく、マッサージやメイドなどの仕事に就いている。
アメリカの法律が資格を認めないからだ。

ヘルパーが不足し閉鎖に追い込まれている日本の特別養護老人施設を救うためにも、年間1000名とかケチなことを言わないで、もっと門戸を開いて優秀な人材を世界から募ってほしいものだ。
彼(女)らはもちろん所得目当ての部分も当然あるが、一生懸命勤務してくれれば日本の老人社会を救ってくれる救世主になるはずだ。

日本で仕事に就いた場合、言葉の問題は当然出てくるが、彼(女)たちを2~3ヶ月間日本語のトレーニングをする機会があった。
彼(女)たちは、日本人が英語を覚えるより、はるかに早く日本語を覚える能力をほとんどの人が持っていた。
その時はハングリー精神と情熱から来ていると感じた。
日本人がリッチになって忘れてしまったあの経済成長を培った時代を支えたヤル気だ。
アジアの振興パワーに圧倒されないように頑張らなくてはと再認識されられたものだ。

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