2008年12月10日水曜日

子ども一人で行く英語圏の正規留学

ここで言う正規留学というのは、1年以上の留学のことを指している。
何年生(何歳)からだったら海外留学が可能なのか?

まず受け入れ先の国・州の法律によって異なる。
もちろん留学先の、知人・保証人・寮の有無や受け入れ先の学校のルールなどに依って決まってくる。

これらは客観的な環境・背景などに決定される要因であるが、果たして実際に留学する子供はどうなのか?
留学を希望する生徒たちの低年齢化が間違いなく進行している。
30年以上前は大学・大学院への進学を希望する高校生や大学生が主流だったが、その後どんどんと低年齢化し、中学生~高校生に広がってきた。

ところが最近数年のトレンドは、小学生かそれ以下のジュニア世代の留学希望者のシェアが急激に増えているということだ。

私が今までサマーキャンプに子ども一人で短期留学してきたジュニアたちの日常生活を見る限り、自分の身の回りのことがある程度でき、ホームシックにかからない年齢は、小学生5年生以上ではないかと思っている。
学校の行事などで、クラスメートたちや友人と修学旅行やキャンプなど外泊することに慣れ始め、自分の身の回りのことが一通りこなせる年齢水準だ。

それより低学年の生徒たちは、授業中や課外授業は生き生きとしているが、いざ就寝の頃になると親元が恋しく泣き始めたり、駄々をこねたりと大変なことになる。
年齢的にも10歳以下なのだらそれも無理はない。

幼少期から英語圏で生活すると、バイリンガルになる確率は非常に高い。
かといって保護者が留学に同行できるのであれば言うことはないのだが、なかなかそうはいかない。

英語圏であるサイパンには、韓国からの親子留学(母子留学)が留学生の中心的存在だ。
早い人は幼稚園から、遅い人でも小学生3年生になる時期には留学を始める。
このことは、小学3年生からアメリカの教育システムの主要4教科が本格的に始まることをよく知っているからに他ならない。

現在中国は、小学校6年間で約1,000時間の英語を学ぶ教育基準となっている。
これは平均的な日本の中学3年間の英語時間を大きく上回る。
韓国についても同様に、小学生から英語教育が始まっている。

母国で小学生から英語を学習するだけでは物足らない、もっと本格的に英語をマスターしようとするアジアからの留学生が、ビザ取得がアメリカ本土よりも比較的易しく、物価も安いサイパンを目指してやってくる。

日本は恵まれているので、この感覚は分かりにくい部分もあるが、ドルや円といった強い国際的な通貨の下で生活基盤を持たない国の人たちは、必死の思いでアメリカを目指しているのだ。

海外留学カッコいい、英語ができるようになる、バイリンガルになりたい・・・このことは日本人特有の留学願望で他の国の人たちはもっとクールにドライに留学を考えている。
一言でいえば、将来のために、子供が生き残れるように、留学する家庭はもちろん貧困家庭ではないのだが、将来の人生設計を確実にするため、現実的なステップとして留学を捉えていることは間違いない。

海外留学には夢がある、この思いは決して否定しない。
しかしもっと現実的に、留学して何を得るのかを具体的に想定し、ステップを踏んでいく方がもっと実益と効果を得ることができる留学生活となる。

小学生に具体的な目的を求めてもそれは無理難題で、親が子供の進路を決定することは、この小学生時期には難しいし、またすべきではないと思うが、留学で何を子供に習得してもらいたいかを明確にすることはできるはずだ。

目的意識のある留学は、実のある留学になる。
もし小学生時期に子供の留学を考えているのなら、まずどうして留学させたいか、なにを子供に身につけさせたいか、このことをしっかり考えるステップを踏むだけで、その留学は成功する可能性が非常に高くなる。

留学を成功させるために、子供を一人で行かせた方が良いのか、親も一緒に行って身の回りの世話をした方が良いのか、どこへ行けばよいのか、どんな学校が良いかなど様々な疑問や問題を、一つ一つクリアすれば、海外留学の意義を自分自身が掌握することになり、間違いなく成果ある留学生活を過ごすことができるはずだ。

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