2008年12月28日日曜日

英語圏の高校生交換留学とTOEFL

TOEFLの集中レッスンを、現在日本の中学3年生に行っている。
TOEFLは、アメリカの大学入試に必要な英語力判定テストなので、おやと思われるかもしれない。
しかし英語圏の高校に入学するためには、授業についていけるだけの英語力は不可欠である。

中学~高校と6年間学んだ英語力だけで、TOEFLでハイスコアをマークすることは、非常に難しい。
現在のテストシステムはTOEFLiBTとなっているため、英語力の4つのスキルである、Reading, Listening, Speaking, Writing各30点計120点で、いかにハイスコアを取得できるかにかかっている。

大学で必要とされる英語力を図るために必要なテストであるため、TOEFLのテスト内容は至極当然であり、レベル的にも留学生にとっては妥当であると思われる。
英語圏の高校生(9th・日本の中3)の英語力は、TOEFL60~70%以上あると実感している。
そのレベルはというと日本の英文科の大学生以上のレベルかもしれない。

英語圏において、そのレベルの高校生相手におこなわれる一般科目の授業についていくことは、留学生にとって非常に大変であることを認識してもらいたい。
私が、高校生の交換留学に対してあまり肯定的でない理由がそこにある。

英語ならともかく、一般科目の単位互換が図れるとか、1年間で英語がマスターできるなどということは、夢物語で、インターナショナルスクールや留学を数年経験している生徒ならば可能かもしれないが、一般的に中学から英語をスタートした生徒の場合は、大変以外の何者でもない。

英語圏での一般科目(社会・科学)の英語は、小学校3年生から積み上げてきたVocabularyと知識があるから初めて理解できるものであって、英検2級程度のレベルでは、テキストを読みこなし理解するのに相当な時間を要する。もちろん高校の授業で先生の言っていることを聞き取り理解することは、さらに難しいスキルとなる。

アメリカの学校生活を体験したいのであれば、もっと早い時期の留学をお奨めする。
小学校低学年までだったら、英語の基礎を覚えるのによい時期であり、内容も高度ではない。高学年になればなるほど英語のレベルは当然高くなり、ハードルが高くなる。

英語に自信のある生徒なら、中学3年生を卒業すると同時に9年生に編入し、サイパンだと8月に始まる新学年10年生(高校1年生)に備えたほうが良い。
これなら、高校の学生生活や授業の進め方など、ウォーミングアップを数ヶ月こなした後に、夏休みが入り、その間も9年生時に不足していると感じた英語のスキルを、新学年が始まるまでの2ヶ月間にフォローすることもできる。

この場合でもせっかく英語圏の高校に留学したわけだから、1年間ではなく、帰国子女枠を狙うために最低でも2年間から、卒業資格を取得するために3年間続けた方が、帰国子女枠入試・アメリカ大学への進学には圧倒的に有利である。
高校生の交換留学は制度の規制上、最長1年間しかできないので、日本・アメリカどちらの大学に進学するにしても有利とは思えない。
大学進学をどうするのか、しっかりと焦点を定めた上で、高校留学を考えることが大変重要である。

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