2008年12月7日日曜日

英語圏のテニス留学

留学生のニーズも様々だ。今年の夏は、日本から高校生と中学生の兄弟がテニス留学のためサイパンにやってきた。
ホームページを見て英会話のブラッシュアップとテニス連盟の選手権にむけて(どの大会かは聞いていなかった)のトレーニングのためだと話していた。

英語圏であるサイパンには様々な人種が居住しているので、元プロのテニス選手やプロのコーチ当然のことながら居住している。
彼らはアメリカ人のデビスカップの元選手とフィリピン人のプロコーチに試合形式でシングル・ダブルスでのテクニック・試合運びなどを真剣に学んでいた。
最初は通訳のために2~3度テニスコートまで連れて行ったのだが、そのうち自分たちのVocabularyで何とかコミュニケーションを図りながら、質問や会話を楽しんでいた。
スポーツの世界にはあまり英語が必要ないとはよく言ったもので、ジェスチャーを交えながらコーチが的確に指示を出すと、生徒たちは体で習得していく。

午前中はESLで3時間英会話の集中レッスンを行いながら、午後~夜は平均5~6時間はテニスに没頭していた。
パブリックのコートもあるので、テニスのレッスン以外の時間帯はこの無料のコートで、今度は現地の人たちとの他流試合を頻繁に行っていた。
パブリックなので1時間くらいプレーした後は、待っている人のためにコートを空けなければならないので、ダブルスでどんどん対戦相手が変わってくる。
面白いことに気がついたのだが日本人は少なく、彼らが学生選手権に参加する腕前だったので、アメリカ人やフィリピン人などに大モテで、試合の申し込みが殺到した。
プレー中は全く問題ない、プレーが終わった時に挨拶はこなせるが、プレーの評価やお互いのニュアンスを伝える微妙な表現ができないと言って、翌日からのESLは日本語のニュアンスをどうやって英語で表現していくかに内容を変更した。

日常会話とよく言われるが、中学生~高校生ともなるとある程度のあいさつやショッピングなどの英会話は学校で習っているのである程度はできる。
実際街に出て遭遇したり、今回のようにテニスを通じてテクニックやメンタルな作戦面などの会話は、日常生活とはやや異なる。
実際の場面で表現できなかった英会話を表現できるようにするが、英会話の一つの上達法である。
シンプルな構文を使いながら的確に相手にニュアンスなどを伝えていく。
あいまいな部分は省き、ポイントだけを明確に相手に解り易いように伝えること、これは簡単なようでなかなか難しい。

しかし自分の好きなスポーツを通じてコミュニケーションを図るわけだから、また表現することの必要性に駆られて英語を覚えていくわけだから生徒たちにとって全く苦でない。
覚えたフレーズや表現方法を携えて、翌日は意気揚々とテニスコートに向かって行った。

当初私が考えていたのは、サイパンは年中暑く、テニス留学で有名なアメリカ・フロリダ州によく似た気候で、もちろん英語圏、もっと日本から近い所でテニス三昧しながらついでに英会話もトレーニングしたらという発想だった。
ところが違ったのは、ESLはプラスアルファー要素の予定が、テニスを通じてコミュニケーションを的確にするため、より高い英会話の表現力が要求され、フレーズを習得しながら即実践で使う、このことが両輪で作用したということだ。
1ヶ月間ではあったが英会話の表現力は極端にレベルアップした。

好きなことを通じて覚える英会話は実践的で良く使う、使えるから忘れない。
最近もまた、日本人テニスプレーヤーが海外で活躍するようになってきている。
英語でインタビューをこなせるくらいの英会話力をつければ世界十分通用する。
テニスの腕はもちろん必要なことだが。

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