2008年12月13日土曜日

英語圏でESLのある小学校・中学校・高校

幼稚園や小学校低学年の時期に海外留学を始めた生徒はともかく、小学校高学年・中学生・高校生ともなると、入学・転入する英語圏の学校にESL(英語研修プログラム)が準備されているかどうかは、生徒の死活問題となる。

授業中、先生の言っていることはおろか、クラスメートとの会話さえ満足にコミュニケーションできない状態に陥ってしまう。
こうなると、授業中何の教科を勉強しているのか、先生がテキストのどのページの説明をしているのか、はたまた宿題が出ているようだが何をすべきなのかさっぱり解からないなど、留学どころかそれこそ登校拒否に追い込まれてしまう。

英語圏の学校は、留学生のためにESL(英語研修)を授業とは別のプログラムとして、準備しているかというとすべてがそうではなく、ローカル人のための学校には、ESLプログラムや教える先生が居ない。
英語圏で大都市圏や日本人が多く居住する地域には、留学生を受け入れるためのESLや日本人学校があることが多い。
このような環境に留学する場合は問題ないのであるが、それ以外の英語圏はかなりある。

英語圏であるここサイパンには日本語で授業を行う学校はなく、学校と名のつくところはすべてインターナショナルスクールである。
各国からの人種のるつぼ、サイパンだからインターナショナルになるのは至極当然のことではあるが。
ESLプログラムが用意されている学校は数少なく、またそのレッスン内容も充分とは言えない。

それでも各国から留学生が殺到する。最近多いのは、韓国・中国である。
アジアから近いこと、物価が安く、治安が良いこと。
理由は様々だが、親子留学(母子留学)あるいは生徒一人で留学する例が圧倒的に多い。

彼(女)たちが、あまり整備されていないESL環境でも何とかやっていける背景には、中国・韓国では小学生から英語教育がスタートしているという背景がひとつにある。
もう一つは、サイパンには中国・韓国のコミュニティがあり、留学生の先輩である高校生や大学生が、新たに留学してきた小学生に英語を教える環境に恵まれているということだ。

このことは、特に韓国ではよく知られていて、アメリカの有名大学進学するステップとして、高校を卒業するまでの時期をサイパンで勉強し、その間TOEFL、SATでハイスコアをマークして奨学金をもらい、アメリカの有名大学に留学する。
このパターンが出来上がっている上、数多くの合格実績があるので、韓国人の家庭・生徒は安心してサイパンに留学してくる。

サイパンへの正規留学に関する知識情報において、日本はかなり後れを取っている。
サイパンは英語圏であることすら知らない人が多いのではないかと思う。

アメリカ国内の私設ESLには、かなりすぐれたメソッドを駆使して、数ヶ月で英語の基礎をマスターさせるセンターもあるが、レベル分けされているとはいえ、その授業内容についていくのは相当大変だということは、実践者しかあまり知らないのでは。
特に正規留学を対象とする場合、学年に拘わらず(小学校高学年でも)高レベルの英語力を要求される。

英語のレベルを上げていくためには、確かに努力も必要なのである。
ただESLを受講していれば英語レベルが上がると思っていたら大きな間違いである。

ESLプログラムがあるに越したことはないが、どの程度学校の授業に対してフォローできるESLなのか。
その内容をしっかり見据える必要があるということを、留学する生徒のために、親は情報を明確化しておく必要がある。

子供は頭が柔らかいから、すぐに英語を覚えバイリンガルになるからというのは親の勝手な期待で、実際のテキストや学校の授業で使われる英語が小学3年生でも、日本の高校生レベルの英語力がないと理解できないという現実を知らないのでないだろうか。

授業を受けて勉強するのは生徒なのだから、親の勝手な期待で留学させるのではなく、現実を直視しながら目標に向かって一歩づつ進んでいけば、必ず海外留学は子供を大きく成長させることは間違いない。
今までKohinoorで見てきた留学生の生徒達は、数ヶ月間サイパンの学校に通学すると、間違いなく世界的な視野で物事を判断できるように育ってきましたから。

同じサイパンに住む外国人の境遇を見て、日本人に生まれ育ててもらったことを親に感謝する生徒、日本って本当に美しい国なんだと関心する生徒、コミュニケーション手段としての英語をマスターすることの大切さなど、感じることは生徒様々だが、日本を離れて生活して初めて気づく事象を自分の五感で捉え、様々なことを体得していく様子は傍から見ていても頼もしく思える。

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