2008年12月9日火曜日

留学生の日常生活・・・高校生

高校生ともなると留学生活もガラッと様相が変わる。
その要因の一つは、サイパンはアメリカ圏だから16歳になると運転免許が取得できるからだ。
10thグレード(日本で言う高校1年生)になると、待っていたかのように運転免許証を発行する警察署に駆け込むことになる。

以前は、学科試験に合格すると60日間の仮免許発行、その後実地試験に通れば即運転免許証の発行といった簡単な流れだった。
最近法規を無視した交通事故・飲酒運転などが多いことと、アメリカの統治が支配的になる2009年度に向け、自動車教習所ができた。
学科は日本並みに、自動車教習所で約10時間程度のレッスンと路上教習を受けなけばいけないことになった。
これで事故が減るなら良いことではないかと思う。
いくら足代わりに車を使うと言っても、今までがあまりにも安易に運転資格を与え過ぎていた。

サイパンの道路を運転すると解る事だが、マナーというより運転技術の無さにはあきれ返ってしまうこともある。
アメリカのようにフリーウェイが無いし、道も単純だからまあ仕方があるまい。

というわけで、運転免許証を持ったほとんどの留学生たちは、親におねだりして車を買ってもらう。
新車・中古車、車種も様々。
通学は車を運転し学校まで行く、帰りも自分で運転して帰る。
一気に行動範囲が広がり、狭いサイパンを隈なくドライブすることになる。

心配されるのは交通事故のことだが、留学生の交通事故はあまり聞いたことがない。
せいぜい車をどこかにぶつけてボディが凹んだという程度だ。

日本流に考えると、16歳から運転免許証は早いのでは?と考える人もいるかもしれないが、自己責任で交通手段を確保し自分のことは自己完結する、このアメリカ的な考え方には賛同する。
アメリカ西部を開拓した際に、馬や幌馬車で草原や砂漠を踏破したアメリカンスピリッツがこんな所にも生きているのではと思う。

それで留学生たちは車を運転してどこへ行くのか?というと、学校・図書館・文具店・レストラン・ストア・ボーリング場・PCゲームセンターなどもちろん様々。
Kohinoorの高校生も車を買ってもらったと喜んで見せに来る生徒も多い。

公立校には通学バスがあるが、私立校の場合には保護者か保護者が承諾した人しか生徒の送迎をしてはならないことに定められている。
徒歩数分だからと言って、学校の近くの生徒も徒歩で通学することはできない。
もちろん学校が隣や迎えならば別の話だが。

高校生にもなると友人の輪も広がり、クラブ活動はもとよりパーティや催し物の機会も増え、スケジュールを忙しくこなしている生徒が多い。
アメリカは18歳まで義務教育(権利教育)なので、18歳までは教育を受ける権利がある。
また教育側は生徒の権利を阻害することはできない。
生徒を受け入れなければならないという義務がある。
もちろん結婚して子供もいる高校生も中には出てくるが、周りの人たちの目が温かくその生徒と子供を包んでいるので、疎外感を味わうことはまずないと思う。

このような姿を見ていると、教育の原点は何かと考えさせられる。
知恵・知識を授けることは大変重要なことなのだが、子供を誠意を持って育てること、良識ある大人に導くことなど、ヒトとしてあるべき姿を生徒たちに説いてあげることが教育の原点ではないのかと、英語圏であるサイパンで生徒たちを教えてきた私自身の考え方も少しづつ変化している。

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