2008年12月14日日曜日

英語圏の親子留学

最近Kohinoorに問い合わせが増えているのが、親子留学(母子留学)だ。
お子さんは幼稚園から小学生低学年が多い。
来年1月にも1組、幼稚園生を持つ母子が長期留学することになっている。

この時期から英語圏であるサイパンに正規留学して、英語をマスターしようと考えておられる。
これは非常にお子さんにとっては恵まれた環境で、5~7歳の時期から英語圏で英語を勉強し始めると、約2~3年間で英語の基礎をマスターし、発音もPhonics(フォニックス・発音とスペル)の授業があるので、ネイティブに限りなく近くなる。

最初、お子さんが幼稚園や小学校に慣れるまで少々大変だが、この時期の子供は、大人が考えているよりずっと逞しく適応力がある。

それよりも親の方が英語圏に慣れるかどうかの方が問題かも知れない。
問題といっても重大なことではなく、子供の送迎の際にクラスメートの母親や先生とちょっとした挨拶や世間話ができるかどうか程度のことだ。

英語が苦手だとおっしゃる母親から、学校の三者面談の通訳を頼まれることがある。
日本と同じように、科目の成績・学校での生活ぶりなど先生が説明する。
私は通訳ではなく、Tutor(家庭教師)という立場で参加することにしている、実際そうだから。

ネイティブの先生の観察力は、日本の先生と同じようによく生徒を観察・指導していると感じる。
特に感じることは、協調性・リーダーシップに対する考え方が、日本よりも重きをなしているのが特徴ではないかと思う。

自由主義のアメリカだからリーダーシップの件は当然だと思ったが、協調性の件に関してはすこし以外だった。
幼少時は、数人のグループで工作したり、絵を描いたりする。
小学校高学年になるとProject(プロジェクト)の名目で各教科において研究・レポート・発表という形式でグループで取り組む機会が増えてくる。
その前哨戦をこの幼稚園から~小学校低学年時期にトレーニングしていると聞いた。

Projectは子供だけではなく、大人になってからも社会で通用する概念だ。
一人で考え、行動することも自主性を養うので良い事だが、グループのメンバーが意見を述べ合い、方向付け結論を出していくという考え方には、現在のアメリカにおける政治・経済活動の原点を見ているような気がする。

きっとこの幼少時期からの教育が浸透していて、高校・大学にもなるとDebate(ディベート・討論)スキルもプラスされることになってくるので、アメリカ人には全く抵抗がないのであろう。

高校生にもなると模擬裁判を行う。
裁判官は現役の裁判官もしくは弁護士、検事側・弁護側・証人・陪審員を高校生が演じる。
生徒の要望で見学したことがあるが、内容は弁護士が生徒を指導していることもあって、検察側・弁護側とも素晴らしい論法を組み立てている。
授業の一部でもあるが、コンテスト形式で行われる所が、またアメリカならでは。
因みに生徒の高校は残念ながら2位だった。

これは一つの例だが、それ以外にもソシアルスタディ(社会)やサイエンス(科学)プロジェクトなど、高学年に備えて幼少時から英語だけではなく、様々なスキルを学校で学ぶ。
英語がマスターできる上、このようなスキルをマスターできるということが海外留学の大きなメリットではないかと思う。

母親はお子さんに英語を教わってください。
通訳もお子さんができようになりますから、生活に慣れるまで最初は大変でしょうが、挨拶と世間話程度の英語はマスターしましょう。

また他の方法として、母親は英語のレッスンを受けることも可能だ。
英語のレッスン終了後は、英語力をビジネスレベルに上げるため、サイパンの北マリアナ大学に入学希望の母親もいらっしゃる。
この大学には初等教育課があるので、ビジネス英語だけではなく、プラスアルファーとして小学校の先生の資格を取得することを目指しておられる。
アメリカ圏でも需要は高いが、日本に帰ってもインターナショナルスクールや英語の教師と引く手あまたであろう。
こうなってくると母子とも真剣に勉強するわけだから、本当の意味での親子留学の真髄となる。

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