2008年12月9日火曜日

英語圏のゴルフ留学

日本のゴルフ界では、石川遼君の最年少1億円プレーヤー誕生の話題で持ちきりだ。
たしかにタイガーウッズでさえプロトーナメントで優勝したのは20歳だったか?
そのことを考えると日米のプロゴルファーのレベル差を差し引いてもすばらしい快挙だ。

テレビでしか石川プロのプレーを見たことはないが、なかなかあれだけのプレーをティーンエージャーが続けていけるというのは並大抵の才能と努力ではないと感心する。

私はゴルフは下手だが、10年ほど前にアメリカカリフォルニア州、フロリダ州、ジョージア州の名門と言われるゴルフアカデミーにプロ志望の10代の日本人生徒たちを引率したことがある。
各々のゴルフアカデミーは特徴があり、レッスンプロによって異なるノウハウ・練習方法・コース練習・講義など、どれをとっても同じスタイルはなかった。

しかし共通してレッスンの内容を見て言えることは、個々人の体格・能力を最大限に引き出す眼力とテクニックをすべてのレッスンプロ達が持っていることだった。
一口に言うと簡単なことだが、これは相当スキルのあるレッスンプロでないとこうはいかない。
どうしても持論が先に来てしまい、ゴルフとはこうあるべきと理論づけてしまうのが一般のレッスンプロだ。
しかし彼らは違っていた。体力・筋力・体格等様々な身体的諸条件や精神的な要因によって当然ゴルフも変わってくる、だから個人に最も適しているゴルフスタイルをコーチしなければならないというポリシーを持っていた。

無理をさせずに遠くまで飛ばすことを当面の目標としているので、それぞれの生徒の身体的諸条件に見合ったスウィングを教え込む。
当然理論はあるのだが、あえて講義スタイルにするのではなく、楽しみながらも厳しくフォームを短期間のうちに生徒にマスターさせるテクニックに驚嘆した記憶がある。

やはりアメリカのレッスンプロのテクニックは歴史があり、最先端の理論とコンピュータを組み合わせ、クラブというツールにも細心の注意を払いながらゴルフの基礎を教え込むのが、現在最先端のスタイルだ。
このようなレッスンプロにつけば、1~2年もたたないうちに石川君とは言わないが、ゴルフに素養のある青少年なら間違いなくシングルプレーヤーになることであろう。

英語圏であるサイパンにも、アメリカゴルフアカデミー出身の優秀なレッスンプロがいる。
先日も会って話したのだが、最近韓国からゴルフ留学する生徒が増えているらしい。
確かにアメリカ・日本での韓国女子プロの躍進は目覚ましいものがあるのは周知のことだ。

サイパンで小学校~中学校~高校と通学しながらプロを目指すらしい。
その中の中学生の一人に会ってみると、身長は190cm 体格はガッシリ、7番アイアンで軽く打って180ヤードいい球筋だ。
勉学はあまり好きではないようだ、でもゴルフなら朝から晩までボールを打っていても全く苦にならないという、まさにゴルフの申し子だ。
このレベルの生徒が10名ほどサイパンにいるそうだ。

日本のジュニアゴルフにももちろんたくさんの良い選手がそろってきているだろうが、本場英語圏で活躍するには、いくら個人プレーのスポーツだからと言っても英語ができないのでは話にならない。
スポンサーやマネージャー・トレーナーが同行し、至れり尽くせりでプロスタートできるのなら良いが、エントリー・宿泊・飛行機・レンタカーの手配まで最初は自分でするのが、英語圏でプロゴルファーをスタートする一般的なスタイルだ。

その韓国の生徒はアメリカのスタンフォード大学を目指している。
やはりタイガーウッズの出身校を狙っているのか? 確かに全米1~2位を争う施設とコーチ陣がそろっているので、全米からもプロを目指すアメリカ人が殺到する大学だ。

私からの忠告として、ゴルフで朝から晩までも結構だが、SATで95~100%取得しないとスタンフォード大学は合格しないから、ゴルフにかける情熱を半分でよいので勉強にも向けるように・・・と。

その後しばらくして、ゴルフ練習場であまりその生徒を見かけなくなったので、レッスンプロに尋ねてみたところ、練習時間を制限して効率よくレッスンを行っているとのこと。
『きっと今頃は、英語と数学の復習をしているはずだよ、そのうち先生のところにSAT対策の件で訪ねたいと言っていたよ』とは、レッスンプロの回答。
これはひょっとすると、韓国バージョンのタイガーウッズ誕生の兆しかなと薄笑いした。

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