2008年12月11日木曜日

英語圏のジュニア・キャンプ

小学生・中学生が春休みや夏休みなどの期間を利用して、英語研修やアクティビィティを楽しむために、英語圏で開催されるジュニアキャンプに参加する話はよく聞く。

通常1週間から1ヶ月位の開催が多いようだ。
英語圏というとアメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドをはじめとするれっきとした英語圏だけではなく、ヨーロッパやアジアでも英語研修ができるジュニアキャンプがある。

私の考え方からすると、この短期間に英語をマスターすることは難しいので、どこの国のキャンプに参加しても英語力のレベルアップという意味ではあまり差は無いのではないかと思う。
そんなに簡単に英語をマスターできるのなら、中学・高校・大学と8年間以上勉強した人は、すべて英語が話せるはずだ。

ジュニアキャンプのキャッチフレーズによく世界各国から子供たちが集まって、英語を勉強したり、一緒に課外活動やスポーツを楽しむことができますと詠ってあるが、良く考えてもらいたい。
英語圏の子供たちは、英語がもちろん話せるのでジュニアキャンプには参加しない。
参加者が多いのは、アジア・南米・中近東の家庭の子女である。

イメージ的に世界各国というと、白人の子供たちがたくさんいて一緒に勉強したり、遊んだりするのだろうなと想像しがちだが、実際は日本人とおなじ有色人種が集まるキャンプなのだ。

それでも共通語は英語しかないので、みんな知っているだけの単語を並べながら頑張って英語を話してコミュニケーションを図ろうとする。
そのことは、非常に効果があるように思えるが実際参加している子供たちの英会話レベルは、アルファベットは理解できるが英文法の基礎もなく、英語圏の幼稚園~小学生1年生レベル程度と思われる。

参加した人によって意見はまちまちだろうが、英語が上達したと聞くことはまず少ない。
英語に接することができ、外国から来ている生徒と友達になった、これはよく聞く。

何とかしてコミュニケーションをとりながら共同生活する環境は素晴らしいと思うが、もう少しアカデミックな志向が加味されたキャンプがないものかと思う。
キャンプの世界だけにとどまることなく、現地の子供たちが何をして、どんな勉強をしているのかなど実際の英語圏のジュニア世代がどんな生活を過ごしているのかを見せてやることが、異文化コミュニケーションの触りになるのではないかと思っている。

大人が海外旅行に行って、名所や史跡だけの観光ではなく、現地の生活に直に触れた時、何がしかの感動とショックを覚えるのと同じように、ジュニアたちにも現地の生活の一部分でも良いので体験させてやれば、もっと心に残る新鮮なジュニアキャンプになるのではないかと思う。

アメリカ領サイパンは英語圏だ。
限られた狭い島なので観光スポットも限られているが、島の周りはすべてきれいな海。
グアムは周りは海だが泳げない場所が多いが、サイパンはほとんど何処でも泳げる。
そんな環境が生徒達には最高らしく、毎年のようにKohinoorのジュニアキャンプに参加するジュニアもいるが、彼らが異口同音に言うことは、現地チャモロの子供たち砂浜でバーベキューしたり、遊んだりしたことが一番印象に残っているようだ。

キャンプ期間中に英語がどの程度伸びたかというと、レッスンで覚えたフレーズやVocabularyはもちろんのこと、面白いことに英語で現地の人や子供たちとコミュニケーションできなかった内容の会話を、インストラクターに質問し、ことごとくそれを努力せずにマスターしていったことだ。

『必要は発明の母』とはよく言ったもので、こんな所にも英会話上達の切り口があることを気づかされた。
英語で伝えられなかった会話をマスターし、レベルが上がってくるとまた判らない個所が出てくるので尋ねる。
その繰り返しでどんどん表現が上手になり、現地の人ともコミュニケーションが図れるようになってくる。
言わば実践主義のサバイバルイングリッシュ習得スタイルが受けている。
さりとてブロークンイングリッシュは最初は良いが、決して英会話上達の早道ではない。

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