2008年12月7日日曜日

英語圏のフリースクール

登校拒否や中退、身体的・精神的な理由等に依り、学業を途中で辞めざるを得ない状況に陥ることが、最近の日本では増えてきている。

この状況をどのように考え、改善していくかは教育の根本的な問題に絡むことになるので一概にこうすれば良いとは軽々しくは言えない。
ただひとつ、そうなった場合の保護者の精神的な気苦労と、生徒本人の挫折感・倦怠感をどのように取り除くかにあると思う。
もし様々な理由に一つに日本の教育制度に起因する問題であるのなら、場所を変えてみることも問題解決の糸口になるのではないかと思う。
フリースクールに継続して通学できるかどうかは、存在する場所に起因することも 多いにあるのではないかと思う。

知人の娘さんが中学時代に登校拒否になり、日本の高校への進学をあきらめスイスに留学した。
その後スイスの高校を卒業し、現在はアメリカの大学で文学と音楽(バイオリン)のダブルメジャー(2つの学校・学部を専攻すること)で学生生活を横臥している。

あれほど物静かだった彼女が、昨年Kohinoorが演出したホテルの演奏会のためにサイパンを訪れた時の印象はまるで別人のようだった。
英語はネイティブ並みに話し、ホールで行われたバイオリンとピアノの協奏曲を観衆の前で見事に演奏し、演奏後行われた現地新聞社の記者からのインタビューにも堂々と胸を張って対応していた。
わずか数年でこれほどまでに変われるものかと目を疑ってしまった。

インタビュー後に彼女の母親から聞いたのだが、登校拒否が始まったときどうしたらよいか途方に暮れてしまった、どうすれば良いか誰も教えてくれない、自分でインターネットを検索しやっとの思いでスイスの寄宿制のインターナショナルスクールを探したとのこと。
最初はそこそこしか英語もできず苦労したが、高校2年生にもなると見違えるように活発になり、スイス近郊の国々を課外活動で回ったりしたとのことだった。

ただ当初問題だったのは、1年間の学校にかかる経費が高くまた、娘に会いに行こうと思ってもスイスはやはり遠く1年に1回訪問するのが精いっぱいだったらしい。
確かにスイス・イギリスなど全寮制の学校の経費は、年間500~1,000万円かかるので、一般家庭では留学を続けさせることは確かに厳しい。
この娘さんの場合は確かに恵まれた環境だったかもしれないが、もしあの時母親が決断しなければ、今の娘の姿はなかったとしみじみ語っていた言葉が印象的だった。

サイパンはアメリカ領なので英語圏である、しかも日本から一番近い英語圏。
世界各国からの人種が集まり、公用語として使われる英語は、それぞれの国の人が話す特徴的な発音が印象的だ。
アメリカ人でも東部・西部・南部など発音が違うように、国が変われば使う英語の発音も異なってくる。

アメリカだと流暢に話さないと恥ずかしい思いをしたり、差別されたりするが、サイパンだと共通語として英語を使っているので少々の発音やアクセントの違いも気にせず、とにかくコミュニケーションすることから始まる。

私の持論は、英語は文法やVocabularyなどの基本から習得して会話を確立していく正統派なのだが、ここサイパンでは、少々のBroken Englishでもまかり通ってしまう。
話すことによってコミュニケーションをしていくことは非常に良いことで、聞き取れなかったことや、話せなかった英語を復習したり覚えたりしようと、どんどん前向きな姿勢に変化していく。

また国際間のビジネスでは、各国の人が独特の発音で世界共通語としての英語を話すので、それをヒアリングする力が必要になってくる。
そのような意味でも、人種のるつぼであるサイパンは、実戦さながらいろいろな人種が話す特徴的な英語に接することができる。

日本から近く、簡単に直行便でわずか3時間強、南国のパラダイスでマリンスポーツ・ゴルフを楽しみながら実践的な英語も習得していくことができると考えると、スイス・イギリスには無い穴場の英語圏が日本のひざ元にあることをほとんどの人はあまり知らないのではないだろうか?

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