2009年1月12日月曜日

日本のインターナショナルスクールと英語圏のスクール

昨年末から、日本のインターナショナルスクール(INS)の4年生を教える機会があった。
教え始めてすぐわかったのだが、頭の中でいちいち日本語に置き換えなくても英会話がスムーズにこなせることや、一般的な語彙・日常レベルの会話力・Readingについては、サイパンの留学生とほとんど同じレベルなので、優秀であると感じた。

ところが一つ問題点を発見した。それはその生徒が理科・社会の各科目については、ほとんど日本のINSで、アメリカの教育システムに準拠した履修水準の授業を受けていないことであった。

このことは、すべての日本のINSに当てはまるわけではないかもしれないが、その生徒が父親の転勤の関係で、名古屋・大阪と2校のINSを経験し、両校とも同様であったと保護者及び、生徒から聞かされた時は愕然とした。
せっかく優秀な生徒なのに、授業がINSから提供されていないことには知識の得ようがない。

英会話力はトレーニングによって鍛え上げることは可能だが、英語の基礎力は科目としての英語だけではなく、算数・社会・理科の主要教科におけるVocabularyや教科別の独特な表現法を身につけていかないと、ネイティブ並みの水準の英語にはたどり着かない。

このことは意外と知られていないが、自然科学の基礎や地理・歴史の充実度は、アメリカ教育の方が数段、日本教育レベルの上を行っている。
社会・理科を教えないINSが存在することは、教える教師のレベルの問題か、もしくは英語のレベルをそこまで上げると生徒がついてこれないか、どちらかの理由によるものだと考えられる。

英語圏であるサイパンにおいてはどうかというと、小学3年生から始まる理科・社会の英語レベルは、日本の高校生でも手を焼く程の英語力を必要とする。その結果、この時期から英語力の差が、留学生の間でもつき始めることになる。

しっかりと2教科のvocabularyやイデオムを履修した留学生は、高学年になってTOEFLやSATに悩むことはまずない。
頭の中にしっかりたたきこまれていることと、学年が上がるにつれ、前の学年で履修した内容をステップアップしていく合理的な教育システムになっているからである。

アメリカの教育システムに準拠しているなら問題にはならないが、もし日本のINSに通学しているお子さんをお持ちで、このことが気になる方がいらしたら、洋書売り場などで『What your 1~6th grader needs to know』の本を購入され、INSのテキストブックと照合されることをお奨めする。この本にはアメリカの教育システムにおける各学年の履修内容を明記してあるので、全教科の履修状況を比較することが容易である。

理科・社会は英語力の総合的レベルアップと、アメリカ大学進学には絶対に必要なので、特に留意してもらいたい。
SATは英語と数学なので、理科・社会はないと思う方もいるかもしれないが、SAT以前にTOEFLiBTで留学可能レベルのポイントを取るためには、この2教科の基礎知識とvocabularyが間違いなく必要だ。

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