2009年1月4日日曜日

小学校卒業後に選ぶ英語圏の海外留学

小学校を卒業して海外留学なんて早いと考えるのは、日本人的な発想と思う。ここ英語圏であるサイパンでは、早い家族は幼稚園から留学している。
韓国のコミュニティでは、遅くとも小学3年生から留学することが認知され、父親は母国に残って仕送り、母子はサイパンに留学するというパターンが定着している。

小学校での英語教育に関して賛否両論があるが、そうして論議しているうちにアジアの各国は、次々と小学生への英語教育を始めている。
お隣韓国や中国も英語授業スタート当時は、先生のレベルやカリキュラム等様々な問題が発生したが、現在はスムーズに教育システムが稼働していると留学生や保護者からも聞いている。

サイパンはアメリカ領なので教育システムも本土に準拠している。
小さな島なので、教育水準が低いのではと思われがちだが、ところがそんなことは全くない。
公立校は比較的のんびりと教育しているが、私立校に関しては、アメリカ大学進学率と有名大学進学に学校の生存競争をかけ、昼夜校長以下先生たちが努力している。

人口が約7万人と日本の一市水準のところに、10数校の私立学校が存続しているのだから、競争原理が働くことも無理はない。
まして韓国・中国からの留学生の保護者たちがアメリカ有名大学進学に向けてしのぎを削っている向きがある。

6年生から中学課程に入る私立中・高一貫校が多いのだが、7年生から中・高一貫として受け入れる進学校もある。
この時期は、日本の私立中学受験のために最後の追い込みをしている小学6年生は大変な思いをしていることだろう。
志望校に合格できた生徒は良いのだが、運悪く志望校に合格できなかった生徒は、気分一転して海外留学をするのも一つの考え方だと思っている。

一昨年度、たまたま父親の転勤のため中学受験を諦めた小学生は、サイパンで華々しく開花し、学年トップの成績になり、現在はグアムに転校した。
そこでも成績はトップクラスで、2年後に控えた帰国に向け、当初より1ランク上の日本の高校の帰国子女枠入学試験に臨むと聞いている。
私としては、アイビーリーグも狙える子女だからそのまま英語圏で続けたらと思うのだが、転勤ではしようがない。

このようなことを考えると、中高一貫校への進学は、あくまでも日本の名門大学に進学を目指す一課程であって、世界的な視野に基づいた選択肢ではないと思う。
2008年から世界は激変している。日本の名門大学を卒業し、有名企業に就職するという図式の価値観が変わろうとしている変革期であると感じる。
アメリカの大学を卒業したから、それが変わるのかというと、間違いなく変わる。選択肢がアメリカ・日本だけでなく、世界を視野に入れた仕事が待っている。

日本を離れて、サイパンで勉学している各国からの留学生を見ていると世界観が変わってくる。
自国を愛するが故に、アメリカの大学に進学し、そこで頑張ろうとする生徒や、卒業後母国に戻ってアメリカで得た知識・知恵を活用したいと考える生徒、遠く異郷の地で医療活動をしようとする生徒など、個々がそれぞれの考え方に基づいて日々勉学に勤しんでいる。

日本を離れた立場から見ると、日本の本当の良さが分かり、これから日本をよくするためには、何を学んで何をしたらよいのかが判るようになってくる。
そうした意味で海外留学は、価値があると思う。

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