2009年1月3日土曜日

留学先のプレイスメントと聖書

留学先の学校を決めるのは難しい。
特に英語圏の場合は、カトリック系・プロテスタント系などキリスト教系の私立学校が多い。

キリスト教系の学校で問題となるのは、Bible(聖書)が必須科目であるということだ。
多くの日本人にとって、なじみの薄い聖書の授業は、もちろん英語で行われるからなおさら厄介だ。

科学の授業では、ダーウィンの進化論を学びながら、聖書では神が創造したアダムとイブの世界に変貌する。
両者をかみ砕いて説明する学校はまだ良い方で、人類は神が創造したと説く学校は、生徒が混乱することこの上ない。

宗教を否定するのではなく、科学・社会など現代の教育マニュアルに沿って授業が行われればよいのだが、教える側がどうしても神になぞらえて授業を行う風潮が見受けられる。

こうなると、Bibleの科目がない学校を留学先として選択せざるを得なくなるのだが、ここ英語圏のサイパンでは、選択肢が限られてくる。
学校の教育レベルは高いのに、聖書の授業があるからと各国からの留学生に敬遠される学校がたくさんある。

また、そのことを知らずに入学した留学生は最悪の結果となる。
まあ、日本と異なり幼稚園・小学校・中学校・高校の一貫校でも、学年単位で転校することは、日常茶飯事に行われているから、1年間辛抱すればと諦める留学生もいる。

キリスト教系の学校の中には、寄付を要求する学校もあり、このようなことはもちろん入学案内書にも記載されておらず、入学してから初めて判った等、トラブルが起こることもある。

私が留学先の学校の相談を受けた際には、キリスト教の信者でない生徒には、Bibleのない学校をお奨めしている。
ただでさえ各科目の授業についていくのに大変なのに、それ以上に厄介な英語の古文を勉強している暇はない。

無神論者だから勝手な考えかもしれないが、留学のポイントを英語をマスターすること、進学すること、異文化を学ぶことなどに専念する必要があるということだ。
余裕があれば、他のことに手をつけてもよいが、まずは英語をマスターし、現地の生徒レベルにに追い付くことが最優先。
どの学年で留学しても、科学・社会は日本のレベルがアメリカ教育の指導要綱よりも低いので、追い付くことは本当に至難の業なのだ。

よく英語をマスターできればと言われるが、英語をマスターするということは、留年せずに学年の単位を取得すること、このことに尽きる。
TOEFLiBTも科学・社会のVocabularyが文章中に頻繁に出てくるので、マスターしないと高得点は望めない。

今後アジアから日本に向けて、相当数の留学生が進学すると聞いている。
日本も高校・大学の国際化が急速に進むことはまず間違いない。
日本人は今後、どの様なスタイルで世界に向かって発信していくのか、岐路に立たされているのではないかと思う。

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