2009年1月10日土曜日

観光系学部の就職難と海外留学

10年ほど前から人気が高くなっていた観光系の学部に興味があり、カリキュラムなどの編成を見たところ、果たしてこれで通用するのかなと感じていたが、やはりこの世界金融不安の状況下20%前後の就職率と聞く。

難関を突破し専門的な知識を習得後、観光業関係に就職しようと志している学生たちにとって、この数値は壊滅的と思われる。
今からでは遅いがいつも述べているように、その道の専門職を目指さないと就職できない状況は、今後も間違いなく続く。

現にアメリカでも大学を卒業しただけではダメ。何を専攻し、プロとして何ができるかにかかってくる。
よくハーバード大学の教授達は、日本人の留学生は勉強をするためにハーバードへ留学してくるが、もっとハーバードの名前と信用力を利用して、卒業後プロフィットを得る方法を学ぶべきだと。

このことは、私の言っていることとリンクする。奨学金を利用するにしても、大学生活4年間で30万ドル以上かかる経費を、取り戻さなければならないということを意味している。
昔日本でよく言われたのは、医学部や歯学部に6年間通って4~5,000万円かかっても、数年でもとを取ることができるからという理屈と同じことだ。現在の日本では、特別流行る開業医でなければ難しい数値ではあるけれど。

友人でアメリカの州立大学のホテル学科を卒業し、その後10数年間、各国のホテルでマネージャー職を経験しているキャリアウーマンがいる。
アメリカのホテル学科は、ホスピタリティとソムリエの両学科を専攻ケースが多いので、卒業したとたんにプロとして通用する。

日本の大学は、一部を除き総合職・管理職を目指す教育が根付いているために、プロを養成する学部・学科が少ないので就職に困る状況となる。
会社に入ってから仕事を覚えてプロになるという考え方もあるが、今の世の中そんなに甘くはない。
中堅のプロ正社員でさえリストラされる時代に、いくら日本の名門大学出身だからと言って、民間の上場会社に入社することは至難の技になっている。

もし、自分自身の進路や方向性を決めているなら、海外特に英語圏へ活路を見出した方が間違いない。
日本より後進国への海外留学は、私はあまり意味のない事だと思っている。

アメリカの失業率が10%まで2009年中にはいくだろうと予測されているが、一部のプロ達にとって全く関係のない次元の話である。
それほどアメリカは、専業化されたプロ達の集団が社会を動かしていることを頭の中の片隅に残して、自身の進路を考えた方が良いと思う。

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