2009年1月7日水曜日

サイパンの学生ビザ

Kohinoorの生徒の中に韓国人留学生の姉妹がいる。もうかれこれ3年近く通ってきて、二人とも成績優秀だ。
今日急に母子で訪問され、韓国に帰国しなければいけなくなったとお別れの挨拶に来られた。
事情を聞いてみると、学生ビザの更新ができなかったということだった。
母親はサイパンで勤労し、韓国から父親が送金している典型的な、サイパン韓国親子留学パターンの家族である。
母親のビザが就労ビザのため、その年間所得と韓国からの仕送りではサイパンで今後生活することが難しいと移民局で判断されたようだ。
長女はあと2年在学すれば、アイビーリーグを狙えるレベルにいたので残念で仕方がない。といっても一番悔しい思いをしているのは本人たちだから、慰めの言葉しか出なかった。

サイパンはアメリカ領なので、今年2009年6月1日正式に移民局におけるコントロールがアメリカとなる。
昨年から、新規ビザ取得や更新に関しては、相当厳しくなっていたがここまで来ているとは、寝耳に水だった。

入国管理を厳しくすることは、グアムに沖縄の基地が移転されるので、保安対策上解らないこともないが、アメリカにとっては同盟国である韓国の留学生がテロ行為を行うことは考えにくいはずだ。
それにも拘らず厳しくしているのは、今後サイパンは完全にアメリカと同様の入国管理にするという当局の強い姿勢の表れのような気がする。

アメリカの学生ビザは、年間の授業料納付・保証人の財務内容・犯罪履歴等、アメリカに入国しても就労せず生活していけるかどうか入念にチェックされ、大使館でのインタビューも必要だ。
サイパンもアメリカになる日が近づくにつれ、長期滞在者の入国規制がますます厳しくなることが予想される。
今までは、韓国・日本の留学生は、16歳未満の場合親族が同居し、年間の授業料を納付し、申請書等の必要書類を揃えれば、1ヶ月以内には学生ビザが下りていたのだが、今後はそうはいかないようだ。
また幼稚園生については、今後原則として認められないことも判明した。
厳しくなることは、サイパンの治安が保たれて好ましいことではあるが、ハードルが高くなることによって、留学できなくなる中国人やロシア人、アジアの国々の生徒が増えることが危惧される。

入国管理局も以前は現地チャモロ人一色だったが、昨年以来アメリカ人が増え、6月以降はほとんどがアメリカ人になることになっている。
アメリカのやり方は合理的なので、サイパンだけ規制を緩やかにするということは、グアムへの基地移転の関係もあり難しいとは、内々に聞いている。

日本からもっとも近い英語圏であるサイパンなので、小学生・中学生・高校生が留学するには持ってこい。
大学はアメリカ本土の方がもちろんレベルも高くて良いのだが、名門大学に有利に合格でき、奨学金も取得しやすいなどのメリットがサイパンにはいっぱいある。

アメリカの有名大学へのステップとして、入国管理も厳しくなり安全なこと極まりない(皮肉あり)サイパンへ留学することは、日本で勉強するよりずっと効率的で、結果最短コースの路となる。

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