2009年1月19日月曜日

小学校低学年の留学生の英語レベル

今日もKohinoorに通塾している日本人小学3年生の生徒に英文法基礎のレッスンを行っていた。
早いもので、彼らを教え始めてもう2年が過ぎた。最初来た当時、二人ともアルファベットは書けたが、英会話は一言もできない状態であったのが、今は喧嘩をするのも、学校であったことを話すのも全て英語になっている。

英文法は基礎レベルだが、それでも中学2年生~3年生程度の内容は充分こなしている。因みに英検3級の過去問題集も並行してトレーニングしているが70%以上はポイントしているので、間違いなく合格ラインだろう。

小学生1年生~2年生の時期には、学校でPhonics(フォニックス、発音とスペル)の授業があるので、英会話はネイティブ並みの発音となっている。
思考パターンも英語化されていて、英語圏であるサイパンの学校では夏休みが6月に始まるので、日本の1学期に短期間転入した際にも、口から出てくるのは英語で困ったと本人が言っていた。
ここまでくれば、英語も完全に身についた状態で、夢を見るのも英語、子供向け洋画を見ても翻訳することなくストレートに内容が理解できる状態になっている。

このままの状態が続けば、小学生5年生で英検2級レベルには充分到達する英語力となる。もちろん、英検2級以上のVocabulary数を持つことになる。
日本の帰国子女枠を利用した中学入試の合格ラインは、学校にも依るが英検2級以上は最低必要とされるので、5年生までにそのレベルに到達し、その他の教科も並行してトレーニングしていけば、有名大学付属の中学や名門校に合格することは、さほど難しいことではないであろう。
もう一つの選択肢として、高校まで留学を続け、大学入試の時点で帰国子女枠を利用する手もある。

ただ私が客観的に見て、そこまで英語ができるようになったのなら、敢えて日本の大学に進学せず、アメリカの名門大学に進学する方が将来のビジョンが開けるのではないかと思う。
専門分野の選択肢によるが、日本の大学で勉強し取得する国家試験のライセンス(医者・弁護士・公認会計士など)以外については、魅力ある資格が日本にあるとは思えない。

また奨学金制度にしても、アメリカの名門大学は入学できる水準にさえあれば、保護者の所得に応じて授業料・寮費など生活費用までもカバーされるのが一般的だ。
日本の名門と呼ばれる私立大学は、経営状態が悪くないにもかかわらず、まだまだ奨学金制度が完備されていない上に、入学してからの知識習得、世界的レベルでの研究等は明らかにアメリカの大学に劣っている。
大学の世界ランキングに東大がやっと14~15位に登場するのもうなづける。

英語はこれからの世の中には、必要不可欠なツール。ビジネスレベルで通用するには、アメリカの大学レベルの英語力をマスターすることが一つの目安となる。
もちろん低学年からの留学が本人の負担を考えると望ましいのだが、もし本気でアメリカの大学を目指す気があるなら、高校生からでも遅くはない。
アメリカの大学には、卒業後プロとして活躍できる様々な分野の学部・コースがある。

2009年1月17日土曜日

留学生における男女差の比較

私が見ている限りにおいて、留学生の男女差はかなりある。
ここで言う差とは、私の立場上、学習塾の先生という視点で見ているので、勉強に取り組む姿勢が主たる着眼点となる。

まず勉強に対する意欲、この件に関して間違いなく女生徒の方が積極的である。判らないところを克服しようとする努力、向上心、集中力など、どれをとっても男子生徒の上を行く。
なぜこのようなことが起こるのかは、個々の性格や環境によって異なるのかもしれないが、ひとつだけ言えることがある。

英語圏であるサイパンに留学して来た限り、まず英語ができないと話にならない。学校で英語以外の言語が飛び交うことはまずない状況で、環境に適応するサバイバル能力が高いこと、負けず嫌いなこと、徹底的に理解できるまで根気強いこと、覚えたことを忘れないことなどが挙げられる。
女性の方が、生命力があるという学説通りの状況が、異郷の地でいかんなく発揮されているような気がする。

比較して男子生徒はどうかというと、意欲は認められるがもう一歩の押しがない、諦めてしまう、集中力が続かないなど、頑張り屋さんが少ない。
この状況は日本国内でもよく見受けられると聞いているが、特に留学生という立場では、顕著に表れているのではないかと思う。

アメリカのライス氏のようにIQ180以上の女性が、政治のトップクラスで世界を股にかけ活躍する時代だ。
男子留学生諸君、女子留学生に学業・精神面などで負けないように奮起してもらいたいものだ。

2009年1月12日月曜日

日本のインターナショナルスクールと英語圏のスクール

昨年末から、日本のインターナショナルスクール(INS)の4年生を教える機会があった。
教え始めてすぐわかったのだが、頭の中でいちいち日本語に置き換えなくても英会話がスムーズにこなせることや、一般的な語彙・日常レベルの会話力・Readingについては、サイパンの留学生とほとんど同じレベルなので、優秀であると感じた。

ところが一つ問題点を発見した。それはその生徒が理科・社会の各科目については、ほとんど日本のINSで、アメリカの教育システムに準拠した履修水準の授業を受けていないことであった。

このことは、すべての日本のINSに当てはまるわけではないかもしれないが、その生徒が父親の転勤の関係で、名古屋・大阪と2校のINSを経験し、両校とも同様であったと保護者及び、生徒から聞かされた時は愕然とした。
せっかく優秀な生徒なのに、授業がINSから提供されていないことには知識の得ようがない。

英会話力はトレーニングによって鍛え上げることは可能だが、英語の基礎力は科目としての英語だけではなく、算数・社会・理科の主要教科におけるVocabularyや教科別の独特な表現法を身につけていかないと、ネイティブ並みの水準の英語にはたどり着かない。

このことは意外と知られていないが、自然科学の基礎や地理・歴史の充実度は、アメリカ教育の方が数段、日本教育レベルの上を行っている。
社会・理科を教えないINSが存在することは、教える教師のレベルの問題か、もしくは英語のレベルをそこまで上げると生徒がついてこれないか、どちらかの理由によるものだと考えられる。

英語圏であるサイパンにおいてはどうかというと、小学3年生から始まる理科・社会の英語レベルは、日本の高校生でも手を焼く程の英語力を必要とする。その結果、この時期から英語力の差が、留学生の間でもつき始めることになる。

しっかりと2教科のvocabularyやイデオムを履修した留学生は、高学年になってTOEFLやSATに悩むことはまずない。
頭の中にしっかりたたきこまれていることと、学年が上がるにつれ、前の学年で履修した内容をステップアップしていく合理的な教育システムになっているからである。

アメリカの教育システムに準拠しているなら問題にはならないが、もし日本のINSに通学しているお子さんをお持ちで、このことが気になる方がいらしたら、洋書売り場などで『What your 1~6th grader needs to know』の本を購入され、INSのテキストブックと照合されることをお奨めする。この本にはアメリカの教育システムにおける各学年の履修内容を明記してあるので、全教科の履修状況を比較することが容易である。

理科・社会は英語力の総合的レベルアップと、アメリカ大学進学には絶対に必要なので、特に留意してもらいたい。
SATは英語と数学なので、理科・社会はないと思う方もいるかもしれないが、SAT以前にTOEFLiBTで留学可能レベルのポイントを取るためには、この2教科の基礎知識とvocabularyが間違いなく必要だ。

英語は若者文化の象徴か?

世界で英語を話す人は4分の1ぐらいだと言われている。
なぜ英語が世界共通語として使われるようになったかについては、様々な考え方がある。

まず強大なアメリカの政治・経済力に関係しているという考え方、しかし現在の英語圏である諸国は、戦略的に英語を世界の共通語として広めようとしてきた事実はあまり見当たらない。

EUにしても統一されたことはよいが、共通語がないのでどうしても英語が共通語として使用される。それほど英語はできた方が良いのだ。

ところが政治・経済の枠を乗り越え、英語が若者たちに圧倒的な支持のもとに広がっているという考え方もある。
英語ができれば海外に行っても困らない、出世・所得にも関係する、音楽もインターネット社会もそうだ。

国家戦略的に英語が広められたのではないと考えると、英語ができればよいという考え方はもはや古いのかもしれない。
世界共通語としての英語が必要で、できなければ今後は世界に取り残されていくしかない、そんな時代が間直に迫っているような気がする。

英語圏であるサイパンに居住していると、もっと如実にこのことを感じさせられる。10数ケ国以上の国籍の人種が、コミュニケーションを計ろうとすると英語しかない。
英語ができないと仕事ができない、勉強ができない、コミュニケーションを必要としない寂しい生活しかできない。

若者たちに支持されている英語だから、この先しばらくはこのトレンドが続くであろう。日本人は、このトレンドに乗り遅れている傾向が強いので、いつまでも英語が話せたらいいなとのんびりしたことを言っていると、アジアの諸外国に政治・経済面で引き離されていくことは間違いない。
それが証拠に、サイパンでトップクラスの生徒たちはほとんどが韓国人の生徒たちである。

最近来られた、日本のインターナショナルスクールに通学されているお子様をお持ちの人も、クラスのほとんどが韓国人生徒だと言っておられた。
日本国内でさえそのような状況になってきているのだから、この真の脅威を日本の若者たちは、身近に感じた方が良い。トレンドから、そして世界から取り残されないように。

2009年1月10日土曜日

留学は現在の語学力より行動あるのみ

人間は、その年齢において自分の様々な将来の姿を描き出すのだが、留学して英語を身につけたいと希望することも、その一つに含まれるのではないかと思う。

留学するには、英語力はあった方がもちろんいい。
ただ、もし中学英語もおぼつかないようだったら、英語を身につけて自分は何がしたいのか、何ができるのかをじっくりと考えてみればよいと思う。

人生を精一杯生きている人は、動きながら考えている。思考錯誤しながらも前向きに日々を送り、切羽詰まったところで妙案も生み出される。

プロジェクトXではないけれど、英語はそんな簡単に身につくものではない。
本当に初歩からのスタートなら、簡単な日常会話まで1,000時間はかかると思う。

しかしよく考えてみよう。留学した場合、1日最低でも7~8時間は英語の授業と宿題に費やされる。
ということは、6ケ月で1,000時間を超えるではないか。

この上のレベルになる英語圏で何の支障もなく生活できるTOEIC800点クラスを狙うには、あと1,000時間あれば大丈夫であろう。これも6ケ月でクリアできる。
通常通りの学習をしていれば、1年間でTOEIC800点クラスに到達できるはずなのだ。

聞いているだけで英語が話せるようになる、1日1時間で英語がペラペラになるというのは、私から言わせれば全く根拠のない英語の学習法だと思う。
語学はスキルなので、文法基礎を覚え、Vocabularyを増やさないことには会話として成立しない。

英語は世界共通語なので、できないよりできた方が良い。
またこれからは、できないと日本語による情報しか収集できないことになるので、自分の世界を狭くする。
英語ができると、世界の少なくとも2分の1以上の様々な分野の情報を入手できるであろう。

留学してみようかなと迷っている人は、語学留学ではなく正規留学を目指した方が良いと思う。
レベルの高い英語を習得することができ、その結果、留学先で世界各国の人々との異文化コミュニケーションを体験することができる。

観光系学部の就職難と海外留学

10年ほど前から人気が高くなっていた観光系の学部に興味があり、カリキュラムなどの編成を見たところ、果たしてこれで通用するのかなと感じていたが、やはりこの世界金融不安の状況下20%前後の就職率と聞く。

難関を突破し専門的な知識を習得後、観光業関係に就職しようと志している学生たちにとって、この数値は壊滅的と思われる。
今からでは遅いがいつも述べているように、その道の専門職を目指さないと就職できない状況は、今後も間違いなく続く。

現にアメリカでも大学を卒業しただけではダメ。何を専攻し、プロとして何ができるかにかかってくる。
よくハーバード大学の教授達は、日本人の留学生は勉強をするためにハーバードへ留学してくるが、もっとハーバードの名前と信用力を利用して、卒業後プロフィットを得る方法を学ぶべきだと。

このことは、私の言っていることとリンクする。奨学金を利用するにしても、大学生活4年間で30万ドル以上かかる経費を、取り戻さなければならないということを意味している。
昔日本でよく言われたのは、医学部や歯学部に6年間通って4~5,000万円かかっても、数年でもとを取ることができるからという理屈と同じことだ。現在の日本では、特別流行る開業医でなければ難しい数値ではあるけれど。

友人でアメリカの州立大学のホテル学科を卒業し、その後10数年間、各国のホテルでマネージャー職を経験しているキャリアウーマンがいる。
アメリカのホテル学科は、ホスピタリティとソムリエの両学科を専攻ケースが多いので、卒業したとたんにプロとして通用する。

日本の大学は、一部を除き総合職・管理職を目指す教育が根付いているために、プロを養成する学部・学科が少ないので就職に困る状況となる。
会社に入ってから仕事を覚えてプロになるという考え方もあるが、今の世の中そんなに甘くはない。
中堅のプロ正社員でさえリストラされる時代に、いくら日本の名門大学出身だからと言って、民間の上場会社に入社することは至難の技になっている。

もし、自分自身の進路や方向性を決めているなら、海外特に英語圏へ活路を見出した方が間違いない。
日本より後進国への海外留学は、私はあまり意味のない事だと思っている。

アメリカの失業率が10%まで2009年中にはいくだろうと予測されているが、一部のプロ達にとって全く関係のない次元の話である。
それほどアメリカは、専業化されたプロ達の集団が社会を動かしていることを頭の中の片隅に残して、自身の進路を考えた方が良いと思う。

2009年1月9日金曜日

留学生とパソコン

留学生とパソコンは切っても切れない。宿題でインターネットを使って調べる作業や、レポート提出、もちろん母国との連絡はWEBカメラを使ってIP通信(電話)として使用している。
パソコン通信だと、いくら話しても通話料はかからないし、子供の画像が動画で見れるので母国の親たちは安心するらしい。

パソコンの進化は目覚ましいものがあり、サイズ・容量・スペック・価格どれをとっても日進月歩で手軽にパソコンを扱え、購入できるようになってきている。
パソコンが販売されるようになったのは、もうかれこれ20年以上前であるが、その当時のスペックは今と比べ物にならないくらい貧弱なものだった。
20MBの固定ディスク付きのデスクトップセットが100万はする代物だった。
今から考えると馬鹿らしい価格と思えるかもしれないが、当時としては画期的なオフィスツールだった。

WINDOWSはもちろん無く、MSDOSで作動するワープロソフトは1Mの内容で稼働した。現在のソフトの容量を考えるとこれも驚異的なことで、わずかFD1枚でワープロ全般の作動を可能にし、ワードプロセッサーや日本語タイプをゴミ箱に追いやってしまった。

現在のパソコンは、記憶容量が多く、処理スピードも速い、その上安くてコンパクト。いいこと尽くしの優れたツールだ。
パソコンが進化するように、勉強の方法も本来進化するべきなのだが、WEB教育はまだまだ発展途上と言わざるを得ない。

それに引き替え、ゲームソフトの進化には目覚ましいものがある。
メモリーチップの進化のおかげで、動画処理が格段に速くなり、スムーズになったと同時に、ストーリー展開やロジックの複雑さには驚かされる。

そのせいか留学生の中に将来の目標はというと、コンピュータプログラマー、でもよく聞いてみるとゲームメーカーのシステムエンジニアなのだ。
ゲームに明け暮れ、そんなゲームを作ってみたいという単純な動機なのだが、それゆえにシリコンバレー近郊の大学を目指す張り合いになっているのだから、それはそれで良しとするかと納得している。

パソコンとソフトの進化は、今後あらゆる職種を創造していくに違いない。
たかがパソコン、されどパソコンなのである。
そういう私もこうして記録代わりにブログを書いているのだから、便利になったものである。

インターネットで世界中の情報が得られるようになった現在、その場所に行かなくても疑似体験できるバーチャル世界が創造されつつある。
ところがバーチャルは所詮画像だけで、現地へ出向かないと掴まない情報や雰囲気、異文化コミュニケーションとはそういうものだ。

留学生に良くアメリカの大学の話をしてあげる、彼らの夢は自分がその場に行って、自分の五感でアメリカを感じること。
夢を実現させるために、留学生たちは今日もパソコンと机に向かって頑張っている。息抜きにゲームをしながら。

関空~サイパン便の運航休止

運航廃止としなかったのは、以前にも路線休止し、また復活したことがあるからだ。
グアムやハワイに比較するとどうしてもサイパンはマイナー。判らないこともない。大きなショッピングセンターはないし、ビジネスで訪れる人も少ない。
街の大きさやや人口から考えても無理はない。

ダイビングやゴルフなどを求めてくるリピート客は、以前運航休止になった時代も、名古屋経由やグアム経由でサイパン目指してやって来ていた。
リピーターが多いのが特徴で、一度こののどかな街並みと、のんびりとした雰囲気を知ってしまうと、ついつい来てしまう病みつきの人が多い。

とは言っても直行便がないとやはり不便だ。NWもDLと合併して何とか倒産せずに済んだかと思うと、今度は世界恐慌の波にのまれて運航休止。
サイパンは観光で成り立っている島なので、飛行便が減ると経済活動に大いなる影響を受ける。
南海のパラダイスも足がなければ誰もやって来ることができない。

3月に運航休止して、どの程度の被害が出るのかはわからないが、昨年せっかく成田便が増便されて観光客相手の商売の人たちはホッとしていたのだが、またため息に変わるのは間違いないだろう。
世界恐慌の波は、このサイパンにも少なからず押し寄せてきている。

韓国便もウォン安の関係で、極度に客数が落ち込んでいるという。
元気なのはロシア人観光客らしい。ロシアの冬の寒さをのがれて、平均1ヶ月間のバカンスを楽しむツーリストが多いと聞く。
今リッチなツーリストは、日本人からロシア人に様変わりしているとホテル関係者やレンタカー会社の人間までも同じことを言っていた。
サイパンが南海で朽ち果てないように、居住者達は今日も頑張っている。

韓国の留学生たちは、ウォン安の被害を受け帰国する生徒・家族が少なからず出てきている。
これも時代の流れなのか、円高の日本の留学生諸君、アメリカの大学を目指すなら、その前段階のステップとしてぜひサイパンで高校まで卒業してもらいたいものだ。
教育レベルは本土並みかそれ以上、滞在費も安い、日本からも近い、治安も良い、いいことづくめの情報が日本に伝わっていないので、サイパンに留学する生徒が少ない。もっと英語圏の留学先としてサイパンの良さを知ってもらいたいものだ。

アメリカの経済対策と留学

アメリカの次期大統領、オバマ氏が未だ絵物語だが大胆な経済政策を打ち出した。
世界大恐慌の際のニューディール政策に匹敵するかどうかは、実際に動き出してみないと何とも言えないが、次期大統領が早々に、大規模な経済対策案を打ち出し、アメリカ発の世界恐慌から脱しようとする考え方には大いに賛同できる。

経済収支の赤字額が大幅に増えるだろうが、経済が悪い状態が続くと失業者があふれ、治安も悪くなり政治活動や一般に市民生活にも影響を及ぼすとことになる。
自由経済で徐々に回復する市場を待つと数年かかるだろうが、今回の政策が国民の支持の元に展開すれば、回復の兆しは本年度中に見られるようになるかもしれない。

世界経済活動の基礎となっているアメリカのドルが安定しないことには、世界各国の動きが取れない。
今後も政策が功をなし、一般市民まで恩恵を受けるにはまだ時間がかかるだろうが、間違いなくアメリカは動いている。そう感じさせられる今回の動きだった。

私の愛する日本は、いつも後手後手に回っている。行政制度の違いがあるにせよ、国家としての指針を打ち出さなければ、国民は迷うばかり。
いつもしわ寄せが、民間企業や労働者に押し付けられている。
自由経済は安定した国家の元に存在するのであって、国家を司る主体の行政が、右往曲折しているようではらちが明かない。

世界のリーダーとしての自覚と責任を感じて行動するアメリカが好きだ。
軍事問題や社会問題など抱えている悪はたくさんあるが、常にリーダーシップを執り、世界に向けて情報を発信する姿勢に学ぶべきところは大いにあると思っている。

アメリカ領であるサイパンは南国のパラダイスでのんびりしているが、そんなアメリカの姿勢を垣間見ることができる希少な島である。
今年6月には入国管理もアメリカに移行され、もっとアメリカ色が強くなることが予想される。

観光しか主たる産業がない島だが、治安の良さ・日本を含めアジア諸国から最短のアメリカ領なのだから、もっと教育を中心とした文化都市に生まれ変わればよいと思う。
現状は単なる常夏のスポーツ村といったところだろう。

アメリカのスピード感に酔いしれたいなら迷わず本土、もし勉強したいのなら青少年は安全なサイパンをお奨めする。
高校生までここで勉強してアメリカの名門大学に進学すれば良い。
教育水準はここ数年、アジアからの優秀な留学生たちが一気にレベルを引き上げ、ハーバード大学・スタンフォード大学などの名門大学へ進学している。

2009年1月8日木曜日

自分自身のあり方を英語圏のパラダイスで考えてみる

テレビのない生活をしているので、日本の政治・経済情報はWEB情報でしか見ていない。
娯楽やドラマなど全く知らないタレントや俳優の名前や写真が掲載されていると、本当に日本離れしてしまったなと考えさせられる。

今どんなものが流行っているとか、何がトレンドなのか、WEB情報には限りがあるので、やはり実際の実情とはかけ離れた部分があることはいがめない。
数年前の東京ならまだ判るが、今六本木方面へ行ったら迷子になるのではという気がしないでもない。

時代は流れていく、世の中も目まぐるしく変化する。
もともと石油畑上がりなので、このところの原油価格の推移を見ていると興味深い。1年前はバーレル$100を超えていた原油も今は半値。これほど目まぐるしく価格変動の激しい資源もないのではないだろうか。

人類にとってはなくてはならない資源の石油だと思い、大学卒業後、意気込んで入社したのは良いが、オイルショックや環境破壊の根源と目の敵にされる業界になってしまった。
今はクリーン・エコがキーワードとされる製品ではないと市場が受け付けてくれない時代になりつつある。でも実際は、ハイブリットや水素ガス車にしても、石油を原料とした材料で作られているのだけれどな。

例えば水素ガス車の場合、水素と酸素の化学反応が動力エネルギーなので排出されるのは水だけ、公害がないということは評価できる。
でもその部分だけとらえると理論的には正しいが、車を作るには様々なパーツが必要。タイヤ・シート・ダッシュボードなどほとんどが石油からつくられる産物なのだ。

ある一部分を見て・聴いてそれは正しいという考えは間違ってはいないが、全体像を把握しなければ真実は見えてこないということ。

このことをサイパンに居住して、日本を見ると良くわかる。日本の中心、情報の中心である東京で、日本の全てが判っているつもりになっていたが、それはおごり以外の何物でもなかった。

最近、日本からの留学生にレッスンの合間に雑談したことだが『井の中の蛙、大海を知らず』その後にくる言葉は判る? 普通の生徒は知らなくて当たり前、『されど虚空を知る』が正解。
情報があまりにも多いので大海を知っていたつもりだったが、実は井戸の上に見えているわずかな空しか知らなかったのだと。

アメリカにいた頃もそのことは感じていたのだが、あまりにも日本と同様に情報過多。整理している暇がないうちに次々とプロジェクトをこなさなければならない状態が続いた。

人間やはり、人生のいづれかの時点で、自然環境に恵まれた温暖な地で、ゆっくり考える時間も必要ではないかと思う。
今まで本当に大海を見てきたのか?そう思っていただけで実際は、虚空ではなかったのか?

昼夜問わず、日本で努力している受験生や生徒にも同じことは言える。
日本の名門大学だけが、人生の進路を決めるターゲットではない。
もっと世界を見つめて、自分の目指す道を求めるのは、世界のどこへ行き、何を学べばよいのか、単純なことだが、なかなか日本にいては思いつかない上、その方法も判らない。

サイパンは英語圏なので長期留学すれば、最低英語をマスターすることはできる。
自然環境に恵まれたパラダイスで、自分自身を見つめなおし世界観を養ってから、可能性をトライするのにうってつけの場所だと思う。
人生は一度しかない。このことは年齢には関係ない。
小学生からリタイヤメントした人まで、自分自身のチャンスと保養と求めて来島される方は大歓迎だ。

2009年1月7日水曜日

サイパンの学生ビザ

Kohinoorの生徒の中に韓国人留学生の姉妹がいる。もうかれこれ3年近く通ってきて、二人とも成績優秀だ。
今日急に母子で訪問され、韓国に帰国しなければいけなくなったとお別れの挨拶に来られた。
事情を聞いてみると、学生ビザの更新ができなかったということだった。
母親はサイパンで勤労し、韓国から父親が送金している典型的な、サイパン韓国親子留学パターンの家族である。
母親のビザが就労ビザのため、その年間所得と韓国からの仕送りではサイパンで今後生活することが難しいと移民局で判断されたようだ。
長女はあと2年在学すれば、アイビーリーグを狙えるレベルにいたので残念で仕方がない。といっても一番悔しい思いをしているのは本人たちだから、慰めの言葉しか出なかった。

サイパンはアメリカ領なので、今年2009年6月1日正式に移民局におけるコントロールがアメリカとなる。
昨年から、新規ビザ取得や更新に関しては、相当厳しくなっていたがここまで来ているとは、寝耳に水だった。

入国管理を厳しくすることは、グアムに沖縄の基地が移転されるので、保安対策上解らないこともないが、アメリカにとっては同盟国である韓国の留学生がテロ行為を行うことは考えにくいはずだ。
それにも拘らず厳しくしているのは、今後サイパンは完全にアメリカと同様の入国管理にするという当局の強い姿勢の表れのような気がする。

アメリカの学生ビザは、年間の授業料納付・保証人の財務内容・犯罪履歴等、アメリカに入国しても就労せず生活していけるかどうか入念にチェックされ、大使館でのインタビューも必要だ。
サイパンもアメリカになる日が近づくにつれ、長期滞在者の入国規制がますます厳しくなることが予想される。
今までは、韓国・日本の留学生は、16歳未満の場合親族が同居し、年間の授業料を納付し、申請書等の必要書類を揃えれば、1ヶ月以内には学生ビザが下りていたのだが、今後はそうはいかないようだ。
また幼稚園生については、今後原則として認められないことも判明した。
厳しくなることは、サイパンの治安が保たれて好ましいことではあるが、ハードルが高くなることによって、留学できなくなる中国人やロシア人、アジアの国々の生徒が増えることが危惧される。

入国管理局も以前は現地チャモロ人一色だったが、昨年以来アメリカ人が増え、6月以降はほとんどがアメリカ人になることになっている。
アメリカのやり方は合理的なので、サイパンだけ規制を緩やかにするということは、グアムへの基地移転の関係もあり難しいとは、内々に聞いている。

日本からもっとも近い英語圏であるサイパンなので、小学生・中学生・高校生が留学するには持ってこい。
大学はアメリカ本土の方がもちろんレベルも高くて良いのだが、名門大学に有利に合格でき、奨学金も取得しやすいなどのメリットがサイパンにはいっぱいある。

アメリカの有名大学へのステップとして、入国管理も厳しくなり安全なこと極まりない(皮肉あり)サイパンへ留学することは、日本で勉強するよりずっと効率的で、結果最短コースの路となる。

見返してやれ人材紹介会社

今回は留学とは少し趣旨が逸れるかもしれないが、このところの日本のリストラの激しさと言ったら、尋常でない。
それまでは、派遣こそ法人の人件費節減になると、やたら人材を募集し、せっせと会社に派遣していたのに、会社側で真っ先に切られるや否や、今度は本体の派遣会社の正社員まで切るつもりのようだ。

派遣会社の趣意はこの世界経済不安の中、判らないでもないが、切られた当人はたまったものではない。自殺まで考えた人も相当数に上るとマスコミは伝えている。

ここまで世界規模になってくると、それも仕方がない事だと諦めるか、それともここが人生の分岐点だと割り切って、ヘッドハンティングされるようなライセンスやスキルを身につけるかという前向きな姿勢になるか。

その日の生活費に窮している人にそんなことを言っても始まらないのだが、人生はまだ先が長い。
いつこのような状況が再び起こってこないとは限らない。その時のために少し余裕のある人は、リスクマネジメントとして自分に投資することを考えた方が良いと思う。

いつの世にも、恐慌の世でも渡り歩けるライセンスやスキル、そのことをよく考えて行動あるのみ。
医師・看護師・ヘルパー・裁判官・検事・警官・消防士・自衛官・パイロット・力士など考えてみればまだまだある。
列記していくと解る事だが、総合職・管理職ではなくプロ職なのである。
プロに徹すること、これが一つのキーワードだと思う。

人を助ける仕事、人を育てる仕事には、この先も活路があると思う。
特に教育関係は、好不景気の波に左右されにくい業種だと思う。
不景気だからと言って、子供の教育費は下げるだろうがカットするわけにはいかない。
現に今日もサイパンで評判の高い私立学校の学長と面談した際も、留学生が多くほとんど全学年で定員オーバーのため受け入れできない状態が、こんな世界的に不景気な現時点でも続いていると述べていた。

人を育成することに資金をかけないといけないことは、お隣の中国の人も切実に感じている。文盲の人口比率が、アフリカの未開発国よりも高いのでは、いくら経済成長が未だ進捗しているからと言っても将来がない。

話は戻るが、人材紹介会社から引く手数多にヘッドハンティングされるような人物になってもらいたい。
もし目指すスキルやライセンスが海外にあるのだったら、海外留学も辞さない。それくらいの貪欲さと意気込みがないと、この世の中渡っていけない。

2009年1月6日火曜日

中学校卒業後に選ぶ英語圏の海外留学

2月~3月の高校受験に向け、必死に勉強している受験生たちも多いことだろう。最近では、中高一貫の学校でも、中学を辞め進路を変更する生徒も多いと聞いている。

この時期に自分の進路をしっかり決めているかどうかは、個人差があるだろうが、もしアメリカの大学へ進学したいと思っているならラストチャンスである。
私の後輩で、中学卒業後カリフォルニアに渡り、現地の高校に入学し、その後奨学金を取得してUCLAを卒業した人がいる。

彼は目的がはっきりしていて、アメリカのシリコンバレーで将来働きたいので、バークレー大学を第一希望としていた。ところが高校時代に株式に興味を持ち、ロサンゼルスにいた方がメリットがあると妙な理屈の元に志望校を変更し見事合格した。

彼曰く、中学時代までは英語を得意科目としていたが、現地の高校に通学し始めて最初の1年間は、英語に泣かされ、寝ることも惜しんで英語に没頭したとか。
卒業後すぐに日本に戻り株式公開でのスキルを活かし、3年後には東証一部上場企業の最年少役員となっていた。

上場企業は、株主が全世界にまたがっているので、IRセクションや財務を含め、ビジネス英語が不可欠である。
もちろん財務報告書やデューディリジェンスも英語の書類となる。
日本語を通訳や翻訳者に依頼すれば良いという考え方もあるが、海外投資家への説明やディスクロージャーは企業の顔なので、通訳が出てきて話しているようでは、信頼性に欠ける。

SONYの盛田元会長は日本語英語の発音ながら、マスコミを通じてことのほかアメリカ経済社会にすばらしいコメントを多く残した。だからSONYは世界企業と言われる一つの要因である。

世界で通用するなら、ビジネス英語は不可欠。ビジネス英語を習得するには、アメリカの大学に行くしかない。あえて日本より後進国の英語圏の大学に行く必要はないと私は考えている。
大学に進学するステップとして、英語力及び、自然科学・社会・数学などの基礎知識を習得するには、遅くとも高校時代から英語圏へ留学しないと間に合わない。

この論法は、アメリカの大学進学に向けての逆算方式であるが、英語圏であるサイパンにいると至極理にかなった戦略であるとすぐに理解できる。
アジアの各国からの留学生は、このことを周知していて、高校では遅すぎる、中学生や小学生の頃から留学を始めている。
結果はもちろん大成功で、オーバーな表現ではなく、親戚縁者からは英雄や女神と讃えられている。

2009年1月5日月曜日

アメリカの名門大学ビッグ4を目指す

アメリカの名門大学のビッグ4と言えば、ハーバード大・プリンストン大・イエール大・スタンフォード大になるだろうか。
MITはどうかと言われると、世界ランキングではもちろんベスト1~2位だが総合大学という考え方からするとこの4大学になると思う。

驚くことなかれ、このうちハーバード大とスタンフォード大に、このサイパンから2008年度、留学生からの合格者が出ているのだ。
残念ながら日本人ではないが、ともに留学歴10年の韓国人留学生である。

英語圏である小さな島、サイパンでなぜこのような優秀な留学生が存在するのか?疑問に思うかもしれないが、それにはちゃんとした理由がある。
約20年前から、サイパンはアメリカの大学へ行くためのステップとして、韓国人・中国人・インド人が親子留学や中学校・高校への正規留学を始めていたからだ。

アメリカ本土よりもビザが取得しやすいこと、本国から近く物価も安いことをよくリサーチしていて、サイパン現地で生活費・留学費を稼ぐために、アパート経営やコインランドリー、スーパーマーケットなど現金収入が見込める職種を上手に選択し、しっかり地元に根付いている。

この三国の人たちは本当に商才があり、Kohinoorの生徒である祖母に聞いたところによると、もう30年前にこのことに気付いていて、娘二人を引き連れサイパンに移住し、全くできなかった英語を片言で覚え、輸入業を始め、現在はアパート経営と輸入業を続け、立派に会社を経営している。

もっとすごいことに、これも計算していたらしいが、サイパンで生まれた孫たちはすべてアメリカ市民権を持つことができるので、孫二人はアメリカ国籍となっている。

孫二人とも良くできるので、長女はアイビーリーグ、長男はジュリアード音楽院を目指している。
あと数年すれば結果が出るわけだが、中国人の血が流れているアメリカ市民である二人には、アメリカの名門大学進学が夢ではなく、当然のことと考えている。

母国に居住していればこのような離れ業は、想像もつかないだろうが、母国から飛行機でわずか数時間のところにアメリカ行きのキップがあったわけだ。
グアムは現在もアメリカ統治なのでビザが厳しいが、サイパンは自治政府が管理しているので、中国人ばかりでなくロシアだって入国できる。

日本人は、パスポートさえあればどこの国でも気軽に入国できると考えているが、元共産圏の国々の人はそうはいかない。
アメリカ留学は、彼らにとっては夢なのだ。でもその夢もサイパンというアメリカ領をステップにして今彼らは手中に入れようとしている。

日本人には英語のハンデイがあるので、高校卒業後、アメリカの名門大学入学は、インターナショナルスクールの生徒なら可能かもしれないが、それでも年に数人ではないだろうか。
よくハーバード出身の人がいるが、ほとんどはMBA(大学院)で、大学入学~卒業者は珍しい。それだけ大学入学のハードルが高いということである。

TOEFLiBTやSATのハイスコア、高校生時代の成績優秀だけではダメ。ボランティア・芸術的やスポーツなどの秀でた才能など、多角的な才智を問われるのも原因の一つかもしれない。

もし本気でビッグ4を狙う意志があるなら、サイパンをステップにして挑戦してみてはどうだろうか。高いレベルの中高一貫の進学校や、進学だけに特化した高校もある。
ライバルには困らない、各国からの優秀な留学生が揃っている。

2009年1月4日日曜日

小学校卒業後に選ぶ英語圏の海外留学

小学校を卒業して海外留学なんて早いと考えるのは、日本人的な発想と思う。ここ英語圏であるサイパンでは、早い家族は幼稚園から留学している。
韓国のコミュニティでは、遅くとも小学3年生から留学することが認知され、父親は母国に残って仕送り、母子はサイパンに留学するというパターンが定着している。

小学校での英語教育に関して賛否両論があるが、そうして論議しているうちにアジアの各国は、次々と小学生への英語教育を始めている。
お隣韓国や中国も英語授業スタート当時は、先生のレベルやカリキュラム等様々な問題が発生したが、現在はスムーズに教育システムが稼働していると留学生や保護者からも聞いている。

サイパンはアメリカ領なので教育システムも本土に準拠している。
小さな島なので、教育水準が低いのではと思われがちだが、ところがそんなことは全くない。
公立校は比較的のんびりと教育しているが、私立校に関しては、アメリカ大学進学率と有名大学進学に学校の生存競争をかけ、昼夜校長以下先生たちが努力している。

人口が約7万人と日本の一市水準のところに、10数校の私立学校が存続しているのだから、競争原理が働くことも無理はない。
まして韓国・中国からの留学生の保護者たちがアメリカ有名大学進学に向けてしのぎを削っている向きがある。

6年生から中学課程に入る私立中・高一貫校が多いのだが、7年生から中・高一貫として受け入れる進学校もある。
この時期は、日本の私立中学受験のために最後の追い込みをしている小学6年生は大変な思いをしていることだろう。
志望校に合格できた生徒は良いのだが、運悪く志望校に合格できなかった生徒は、気分一転して海外留学をするのも一つの考え方だと思っている。

一昨年度、たまたま父親の転勤のため中学受験を諦めた小学生は、サイパンで華々しく開花し、学年トップの成績になり、現在はグアムに転校した。
そこでも成績はトップクラスで、2年後に控えた帰国に向け、当初より1ランク上の日本の高校の帰国子女枠入学試験に臨むと聞いている。
私としては、アイビーリーグも狙える子女だからそのまま英語圏で続けたらと思うのだが、転勤ではしようがない。

このようなことを考えると、中高一貫校への進学は、あくまでも日本の名門大学に進学を目指す一課程であって、世界的な視野に基づいた選択肢ではないと思う。
2008年から世界は激変している。日本の名門大学を卒業し、有名企業に就職するという図式の価値観が変わろうとしている変革期であると感じる。
アメリカの大学を卒業したから、それが変わるのかというと、間違いなく変わる。選択肢がアメリカ・日本だけでなく、世界を視野に入れた仕事が待っている。

日本を離れて、サイパンで勉学している各国からの留学生を見ていると世界観が変わってくる。
自国を愛するが故に、アメリカの大学に進学し、そこで頑張ろうとする生徒や、卒業後母国に戻ってアメリカで得た知識・知恵を活用したいと考える生徒、遠く異郷の地で医療活動をしようとする生徒など、個々がそれぞれの考え方に基づいて日々勉学に勤しんでいる。

日本を離れた立場から見ると、日本の本当の良さが分かり、これから日本をよくするためには、何を学んで何をしたらよいのかが判るようになってくる。
そうした意味で海外留学は、価値があると思う。

2009年1月3日土曜日

留学先にある英語圏の留学エージェント

2009年の幕開けは、アメリカの金融恐慌に端を発した世界的な不景気で始まった。日本のいや世界的な超優良企業と言われたトヨタやSONYのリストラや営業収支の赤字、1年前には考えられないことが起こってしまった。

世界の経済が混とんとしている中で、英語圏であるサイパンも少なからず影響が出始めている。
今まで元気のよかった韓国コミュニティに、ウォン激安の影響で暗雲が立ち込め、韓国資本による大規模プロジェクトや投資家が一気に規模縮小や投資の再検討を計っている。

日本勢はもともと、JALの撤退以降元気がなかったので、何とか切り抜けるためにいろいろ手を打っているが、円高の影響でツーリストの客足が鈍らず、もともとサイパンのファンが多いこともあり、AIRの予約が取れない状況が続いているようだ。

不景気になっても韓国の留学生や親たちは、アメリカ大学進学を諦めようとせず、奨学金を獲得しようと昼夜勉学に明け暮れている。
韓国に戻っても一部の経済は崩壊状態であり、立ち直るためにはアメリカ・日本の景気回復次第によるところが大きいからであろう。
2009年度中に立ち直ることは難しいと思われるが、アメリカ大統領も交代することだし、経済を立て直す抜本的な改革を期待したいところだ。

世界が混とんとしている中で、留学なんて費用がかかることを目指す生徒や保護者がいるのだろうか?
この答えはYESである。混とんとしているからこそ、将来を見据えて国際感覚と英語のスキルが必要であると考える留学生と保護者が以前にも増して、真剣な面持ちと思慮深さで長期留学を考えている。

今後通貨の強さはユーロ・円・ドルの順にしばらく推移するであろうから、この時期に英語圏を目指して留学することは将来に向けての布石になる。
自分への、子供への投資と考えるとこの円高のチャンスを逃す手はない。

日本の留学エージェントは国内を拠点としている法人が多いので、なかなかこの実感が伝わらないだろうが、ここアメリカ圏のサイパンでは、円高ドル安の恩恵によって、留学費用が以前に比べて25%も安くあげることができる。

Kohinoorはサイパン地元の進学塾なので、地元の生徒や留学生も通学してくる。それぞれの学校の特色やレベル、カリキュラムなどつぶさに情報が入る。日本からの留学生について、英語が学年レベルについていけないと学校側が判断した場合に、学校のESLではなく、各科目の補習も必要なので一部の学校はKohinoorを紹介している。

そんなこともあり、日本からの留学問い合わせが入った際には、学校選択だけではなく、住居、ビザ、車両、電気水道、電話など生活に必要な手続きのお手伝いをする機会が多い。
もちろん学校側との面接・プレイスメントや三者面談は、特に重要である。

アメリカの教育システムでカリキュラムが組まれているので、教育レベルは高い。
留学生の英語レベル・性格・目標などを実際に塾で授業をしてみて判断し、一番ふさわしい学校をプレイスメントしている。

これは非常に重要なことで、1~2週間の短期なら問題ないが、長期の場合留学生の負担は極限に達する。
このことは、留学先の現場にいて留学始めたばかりの生徒に放課後、塾で直に補習や予習レッスンをしていると判るのだが、声にならない悲鳴や叫びを感じる。

留学する学年によっても異なるが、留学初期の適応がうまく図れるかどうかが、正規留学が成功するかどうかの分かれ目となることに対して、あまり注視されていない。
いくら良い学校ですよと日本で紹介されても、授業についていけるかどうか、先生や生徒はどのようなタイプなのか、いじめや薬物などの問題は発生していないか、どんな宿泊設備か、どんな食事か等、知る必要があることは挙げればきりがない。

そこまで注視して学校の選択・プレイスメントをすると、ほぼスムーズに学校生活に溶け込むことができる。
日本だと、学校見学や説明会などに足を運ぶ生徒や保護者も、こと留学になるとホームページやパンフレット、留学カウンセラーの説明だけで留学先を決めてしまうが、それは間違っていると断言したい。
やはり自分の目で確かめて、現地の学校状況に明るい留学エージェントを訪ねた方が間違いが少ない。

留学先のプレイスメントと聖書

留学先の学校を決めるのは難しい。
特に英語圏の場合は、カトリック系・プロテスタント系などキリスト教系の私立学校が多い。

キリスト教系の学校で問題となるのは、Bible(聖書)が必須科目であるということだ。
多くの日本人にとって、なじみの薄い聖書の授業は、もちろん英語で行われるからなおさら厄介だ。

科学の授業では、ダーウィンの進化論を学びながら、聖書では神が創造したアダムとイブの世界に変貌する。
両者をかみ砕いて説明する学校はまだ良い方で、人類は神が創造したと説く学校は、生徒が混乱することこの上ない。

宗教を否定するのではなく、科学・社会など現代の教育マニュアルに沿って授業が行われればよいのだが、教える側がどうしても神になぞらえて授業を行う風潮が見受けられる。

こうなると、Bibleの科目がない学校を留学先として選択せざるを得なくなるのだが、ここ英語圏のサイパンでは、選択肢が限られてくる。
学校の教育レベルは高いのに、聖書の授業があるからと各国からの留学生に敬遠される学校がたくさんある。

また、そのことを知らずに入学した留学生は最悪の結果となる。
まあ、日本と異なり幼稚園・小学校・中学校・高校の一貫校でも、学年単位で転校することは、日常茶飯事に行われているから、1年間辛抱すればと諦める留学生もいる。

キリスト教系の学校の中には、寄付を要求する学校もあり、このようなことはもちろん入学案内書にも記載されておらず、入学してから初めて判った等、トラブルが起こることもある。

私が留学先の学校の相談を受けた際には、キリスト教の信者でない生徒には、Bibleのない学校をお奨めしている。
ただでさえ各科目の授業についていくのに大変なのに、それ以上に厄介な英語の古文を勉強している暇はない。

無神論者だから勝手な考えかもしれないが、留学のポイントを英語をマスターすること、進学すること、異文化を学ぶことなどに専念する必要があるということだ。
余裕があれば、他のことに手をつけてもよいが、まずは英語をマスターし、現地の生徒レベルにに追い付くことが最優先。
どの学年で留学しても、科学・社会は日本のレベルがアメリカ教育の指導要綱よりも低いので、追い付くことは本当に至難の業なのだ。

よく英語をマスターできればと言われるが、英語をマスターするということは、留年せずに学年の単位を取得すること、このことに尽きる。
TOEFLiBTも科学・社会のVocabularyが文章中に頻繁に出てくるので、マスターしないと高得点は望めない。

今後アジアから日本に向けて、相当数の留学生が進学すると聞いている。
日本も高校・大学の国際化が急速に進むことはまず間違いない。
日本人は今後、どの様なスタイルで世界に向かって発信していくのか、岐路に立たされているのではないかと思う。

2009年1月1日木曜日

イギリス留学よりサイパンを選んだ女子高生

今日はお正月、Kohinoorで勉強したことのある生徒から年賀メールが多数届いた。
その中で、3年程前にESLをプライベートレッスンした、当時女子高生のメールがあった。
活発なお嬢さんで、いつも周りを明るくさせてくれたことが今でも印象深い。

今は、日本の大学で英文科を専攻している。
もともとサイパンが好きで、マリンスポーツや休息のため、年契約でコンドミニアムを所有し、毎月のようにご家族でサイパンに来られていた。
当時を思い出すと、当初そのお嬢さんは高校を3ヶ月間休学し、イギリスへ語学留学する予定だった所、留学斡旋を担当した業者がガーディアンや語学留学先をうまくアレンジできず困っている時に、サイパンが英語圏であったことを思い出し急遽留学先を変更した。

ご両親とも教育熱心で、アメリカ圏と判っているが、どうしてもイギリス英語をと希望されたので、急遽当方もインストラクターをサイパンで探すことになった。
アメリカ人は多いけれど、イギリス人となるとやはりいない。
考え抜いた末、私の友人であったサイパン在住シンガポール国籍の大学講師にレッスンを任せることにした。
シンガポールはイギリス領だった関係もあり、学歴の高い人はイギリス留学するので、英語はまぎれもなくイギリス英語だ。
香港も同様だが、サイパンでなかなか学歴の高い人を探すのが大変なので諦めた。

レッスン開始と同時に、ご両親・本人とも至極納得され、3ヶ月間があっという間に過ぎた。
その大学講師は、私がアメリカでビジネスをしている頃からの友人で、アメリカ公認会計士の資格を持っていたのでUSCPAのレッスンを担当している間柄でもあった。

イギリスの古式豊かな景色や文化は体験できなかったが、彼を通じてイギリス英語はもとより、イギリス人・シンガポール人・アメリカ人の文化や考え方、ビジネスの初歩までも学べたことが、女子留学生には大きな収穫であったようだ。

英語圏には様々な国の英語が存在するわけだが、発音・言い回しをどうしてもイギリス英語にしたいのならば、やはり本国へ行くしかしかあるまい。
しかもレベルの高い高校~大学レベルの正規留学でないとでないと、BBCキャスターのようなイギリス英語にはならない。

アメリカ英語も地域によってさまざまだが、アメリカ自体が異民族の集まりの国なのだから、共通語としてのアメリカ英語と理解すれば、発音などあまり気にすることは無いと思っている。
もちろん、ビジネス上・学識上どうしてもアメリカ東部の英語が必要な人は別だが。

アメリカで生活したり、ビジネスを行っていく上で重要なことは、発音をアメリカンにすることではなく、話している内容を的確に相手に伝えることだと思う。
ネイティブと言われる人も東部・西部・南部の英語を操るわけではなく、自分が生活したり、勉学した地域の英語を話しているに過ぎないので、標準的な発音に近ければあまり神経質になることはないと思う。

英語圏であるサイパンも同様で、多国籍の異民族の集まりなので、その共通語として英語が存在する。
英語を覚えるだけでなく、異民族間の異文化コミュニケーションも同時にマスターでき、究極の英語訓練が可能な地域であると思う。

ニューヨーク・ロス・マイアミも異民族が居住する大都市だが、サイパンは狭い地域に集約されている上、ビジネス戦争といったライバル関係ではなく、相互にのんびりとつきあっていけるので、本質的な異文化コミュニケーションを図れるメリットがいたるところにある。

英語圏のサイパンで迎える新年

0:00時前からカウントダウンが始まり、花火が一斉に打ち上げられる。
毎年のことながら、年に一回の行事だからついつい参加してしまう。
2009年の幕開けは花火と爆竹でスタート、例年変わり映えしない光景だが、昨年からの世界恐慌のせいか、花火の本数が少なく感じられるのは気のせいだろうか。

英語圏で人種のるつぼであるサイパンは、新年も1月1日・旧正月と、人種によって祝う日が違うはずなのだが、そんなことは気にせず両方ともお祝いしてしまうのがサイパンスタイル。

さすがに進学塾のKohinoorも、今日は通学してくる生徒はいないのだが、昨日までは教育熱心な一家が、TOEFLとSATの集中レッスンのため日本から来ていた。
クリスマス~年末にも拘わらず、熱心に勉強している中学生や小学生を見ていると、教えるこちらも自然と力が入ってくる。
そうしている時、ふと頭をよぎったことがある。

2008年アメリカのサブプライム問題に端を発した、倒産することなど微塵も考えられなかったAクラスの金融機関が軒並み倒れていった。
今までアメリカでファイナンスのプロとして活動した経験のある私からすれば、銀行よりも信用力のあるAランクの企業が倒れるということは、今後どの企業が倒産しても全くおかしくないという、究極の世紀末が起こるとさえ感じた。

今後何をすべきなのかは、先が読めないので本当に予測が難しいのだが、経済の基本である需要と供給のバランスを考えると、モノではないような気がしている。
学生時代だったので約30年前、インビジブルアセットという言葉が好きで、モノに縛られない目に見えない資源・資産が今後の世界を変えていくのではと常々思っていた。

そう考えながらも、資源の兆本である石油業界にかかわり、資源の少ない日本に少なからず貢献していると自負していたものだった。
世界の企業ランクではトップ10に必ず大手石油メジャーが入っているのも、資源を扱っているので当然のことだが、モノには限界がある。資源にも限界があると感じ始めたころに、ファイナンスの可能性を模索した。
いわゆるマネーゲームである。

日本では、プライベートエクイテイファンドやM&Aは、良い印象には取られていないが、アメリカやヨーロッパでは企業経済活動の一つとして市民権を得ている。
日本では、インサイダー取引や投資法違反などでことごとく逮捕されたりしているが、それは間違った方法で取引や商行為を行ったため、つまりアマチュアだったからという一言に尽きる。

マーケティングやM&Aをアメリカで行っていると、本当の人間の本質とは一体何なのだろうとつくづく考えさせられた。
学生時代に思っていたインビジブルアセットは、こんなことではない。
モノを扱わずにお金を扱うことが、インビジブルアセットを生んでいるのではない。

ひどく反省している時期に、たまたまマーケティングのためサイパンに来る機会があった。
うらびれた島で刺激がない所、しかし住んでみると人種のるつぼなので、何事にしてもスケールはアメリカ・日本よりずっと小さいのだが、日々、自然や異文化によるちょっとした感動が体験できる不思議な島であった。

この素晴らしい環境の中で、子女たちを育てたら、もっと価値観の異なった子女が育つのではと考えるようになった。
刺激は大学生になってからで構わない、それまで知識と知恵を充分に蓄え、アメリカ・日本へ巣立っていけばよい。
きっとインビジブルアセットは子女の頭の中にあり、育てなければならないと思うようになっていた。

よく子供には可能性があり、夢があると誰もが認めているが、その可能性と夢を実現するために何を今すべきなのかを明確にした学論・通説はあまり見かけない。
私もまだ断言はできないが、子女を自然環境の良い所で、最高の教育を施し、世界共通語である英語のスキルと異文化コミュニケーションを身に着け、世界を知ること、ここまでできればまず及第点ではなかろうか。

インビジブルアセットは、モノにとらわれない、こだわらない究極の資産・資源だから、子女の頭に日々知識・知恵を植え続けると、文字通り『目に見えない資産』が開花すると考え始めた。
年末の集中レッスンを終えた今、2009年に何をすべきなのか、学生時代から自身に問いかけ続けた一つの答えを掴んだ様な気がする。