2008年11月21日金曜日

Quater Pound

日本のニュースを見ていたらQuater Poundが渋谷と表参道に出店したとのこと。あれこれMacじゃないのと思っていたらやはり実体はその通り。行列を作っている風景はやはり新しいトレンドに敏感な東京人!の姿を垣間見た。
サイパンの生徒たちもよくMacでPCを見ながらQuater Poundを食べている。アメリカなのだからこのブランドを食べているのは至極当たり前のことだが。ただ違っているのは、ブラウザやメールなどで遊びながら食べている子と、テスト対策なのだろう必死な形相でPCやノートを持ち込んで何時間もクラスメートたちと居座っているようだ。
今までは停電が多かったので、発電機の完備しているMacで勉強するのは日常茶飯事だったけれど、最近は停電もめったにしなくなり、それでも電気代が高いせいか放課後は結構生徒たちで埋まっている。サイパンのMacのオーナーとも話す機会があるが、何時間居座っても追い出したりしないそうだ。結構勉強している子供たちへの理解があるなと感心している。

サイパンは来年以降、沖縄からグアムに米軍基地が移動するにあたり防衛上の意味合いから、アメリカの支配が強化されることになっている。アメリカの産業がすぐにこのサイパンに入ってくるとは思えないが、グアムのようにどんどん地元チャモロ人の特権が薄れていくことは間違いないだろう。そのようなことを考え一部のチャモロ人の生徒たちは、アメリカの大学へ進学することを使命として頑張っている。今までは、成人になると政府から土地が貰え、現地人の特権を活かせるので就職先にも困ることはなく、フードスタンプという食料品の金券も支給されるなどいいこと尽くしであった。
しかしこれから先はそもいっていられない、自由競争という資本主義原論がサイパンを巻き込もうとしている。これがいいかどうかは別の議論として、いち早く変革する環境に対応しないと生き残れないということだ。方法として考えられるのは、土地や資産を売却してアメリカ本土に移住するまたは、アメリカの大学を卒業しサイパンで官僚や主要ポストに就く。
Kohinoorに開塾当時から数年間通っているチャモロ人の生徒の母親は後者を選択した。どうしてもアメリカの大学に進学するため、学業はもちろん、一般教養を身につけるため日本語、ピアノやギターまでもレッスンをずっと続けている。子供がアメリカの大学に入った際に、有色人種だからと差別を受けないように一般教養や感性、趣味を高いレベルで今のうちに着けさせようと考えているのだ。私はその母親の考え方に賛同してしている。アメリカは有色人種であるオバマ氏を大統領に選出したが、まだまだ人種差別は根強く残っており、また高学歴偏重主義は日本より深く社会に浸透している。歴史のないアメリカだからブランドとして学歴が尊重されるのは無理もないことだ。

日本人は国内にすばらしい学校・大学などがすべてそろっていて、有名大学や大学院を卒業すればよい就職先や仕事ができるいう図式が今なお残っているが、果たしてこの先も今まで通りうまく行くのだろうか、世界恐慌の中を航海する日本国という船が沈没せずに生き残っていけるのだろうか、真剣に将来を考える時期がとうに来ている。今までの既成の価値観では、この世界恐慌は乗り切れず、自分たちで変革できないならじっと嵐が過ぎるのを耐え忍んで、将来を子供たちに託すのも一考の価値があると思う。それだけの可能性を子供たちは持っている。どんなにお金を注ぎ込んでも柔軟な頭脳と肉体、若さだけは買えない。

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