2008年11月20日木曜日

バイリンガルと異文化コミュニケーション

ここ数年、サイパンからハーバード大学等のアイビーリーグやスタンフォード大学、UCBなど、毎年のように合格者を輩出しているので、否応なしに教育熱がフィーバーしている。この原動力になっているのが、韓国人生徒たち。この生徒たちは、数年~10年計画でサイパンに留学し、アメリカの有名大学進学を目指している。ビザの関係で、アメリカ本土ではビザ取得が難しいことや、アジアから近距離のアメリカ圏を選択するとサイパンになるからだ。お隣のグアムはアメリカ準州なのでビザ取得に関してアメリカ並みに厳しい。こんなこともあって母子はサイパンで受験勉強、父親は韓国でせっせと働いて仕送り。もちろん中学生・高校生が一人で留学し、母国から保護者が仕送りしている例もある。こんな生徒たちを日頃教えていると、きっと近い将来、世界をまたにかけて活躍する人物にたくましく育っていくのだろうなと思う。

日本は世界トップクラスのGDPでありながら、海外を拠点としたビジネスマン&ウーマンの進出が、まだまだ遅れている。資源のない日本なのだから、もっと海外へ出てビジネスしないと近い将来、中国はもとよりアジア諸国に圧倒されることだろう。ゆとり教育や英語教育など、日本の教育システムにも関係することだが、諸外国においては低年齢児からの英語教育をほぼ当たり前のように考え、義務教育~高等教育で実践し、様々なジャンルでしかも次々と世界に通用する人を送り込んでいる。世界の共通語は英語なのだから、このように戦略的な教育施策を打つのは当然のことなのだけれど。


英語は『ツール』、年齢・レベル・業種等に応じたコミュニケーションがとれればよいと思う。 ツールとしての英語だけなら、日本にいても習得できる機会や方法はいくらでもある。それなのになぜ海外留学なのか?その答えはいろいろ考えられるが、ひとつには異文化コミュニケーションを体で覚えるということだろう。文化は幼児期から育った環境であり、先祖代々受け継がれた民族の知恵・知識などでもある。よく日常会話ができればよいと言われますが、実際のところ日常生活を英語で過ごしていないと様々なイデオム(言い回しや熟語など)が、瞬間に理解できないことはよくあること。それは、言語が体に身に付いているかどうか、民族の考え方が理解できているかによって、100%解るかどうかは非常に難しい一面を持っているからだ。本来のバイリンガルは、ツールとしての言語だけではなく、その背景にある文化も理解できる人のことを言うべきではないかと思う。
英語だけではなく、異文化コミュニケーションを学ぶために海外留学するのが、バイリンガルになる近道。英語が得意な子(人)になるだけだったら、費用をかけて海外留学する必要はあまりないと思う。

0 件のコメント: