2008年11月27日木曜日

英語圏の海外留学(4)・・・小学生6年

日本で言うところの中学校のスタート学年になる。
小学校5年生まではクラス担任がほぼ全教科を教えるが、この学年からは各教科別の先生が専門の教科を教えることになる。
小学・中学の私立一貫校であれば5年生までに学習した小学校基礎学力のステップアップという考え方である。

各教科それぞれに専門知識の深度が深まっていくが、特に数学については顕著になる。
これは日本の中学と同様に、代数(つまりXやYという変数)の基礎が始まる。
今まで小学校までの算数とは概念が異なり、よくここで数学が判らないという生徒が増えてくる。

何度も繰り返すようだが、テキストが分厚く内容盛りだくさん。
日本で言う参考書仕立てになっているので、説明文・例題・演習問題・テスト形式と通常の授業時間内には終わらない。
そこで演習問題が宿題となるわけだが、授業時間中の説明を理解していれば約1時間程度で終わるのだが、ボリュームが多く演算方法の基礎から教わるものだから、理解するのが当然のことながら要求されるスピードに追い付かない。

日本では私立中学の受験の追い込み時期で、算数などは大学生が解けないような高度な問題も出題され、学習塾などで特訓を受けている生徒たちは難なく解いていく学年である。
しかしアメリカの教育制度では、8月(もしくは9月)~始業し6年生修了時には11歳である。 しかも代数など日本より高度な数学を要求される。

日本の場合6年間算数を学習した集大成の応用問題で入試を行っているが、サイパンの場合は5年修了時にレベル診断は学校側で行われるが、あえて高度な算数解答テクニックを身につけさせるのではなく、次のステップである数学(代数や幾何)に進んでいくと言えばわかりやすいかもしれない。

公立校の場合6年生は小学生なので、授業のスピードはもっと緩やかである。私立校との学業の進度の差は、この時期(小学5年~6年生次)につく。

小学校6年生修了時の英語力は、英検2級以上である。
例えば『ハリーポッター』の原書を、スラスラ読んでしまうReading力はほとんどの生徒が持っている。

気になる会話力であるが、私が今まで見てきた各国の生徒の例から鑑みると、平均3年間、英語圏であるサイパンに留学すれば、学校でまた生活で遭遇する会話には間違いなく困らないであろう。
もちろん英語を話すことは1年経過すればでき始めるが、意志や感情を伝えるだけではなくニュアンスなどを表現できるようになるには、やはり3年間程度は必要だと見ている。

おもしろいことに2~3年経過してくると、日本人留学生も日本語より英語の方が話をすることが楽になってくる。
特に学業に関することは学校で全て英語なので、生徒曰く塾に来て日本語にいちいち訳すのも面倒だし、かえって難しい。
そのレベルまで到達すると私も英語で説明するように対応している。

小学校高学年から編入される際、英語力が英検3~準2級程度であればついていけるが、それ以下の場合には当初相当苦労することになる。

日本の中学受験との兼ね合いもあり、帰国子女枠だと通常2年以上の留学実績を要求されるので、少なくとも小学5年生~6年生の2年間もしくは小学4年生~6年生の3年間を留学期間と考えた方が、英語力及び帰国後の帰国子女枠を利用した中学入試(編入)を考えた際に有益であると思う。

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