2009年2月25日水曜日

サイパンへの留学と宿泊施設

サイパンがアメリカになるのも間もなくである。6月1日以降、移民局がアメリカの支配下になると、その後ビザ発行関係に関する省庁は、ことごとくアメリカの管理下に置かれるようになる。

観光業をメインとするサイパンは、日本・韓国だけではなく、ロシア・中国など元共産圏からのツーリストも重要な顧客となっている。
元共産圏だからアメリカの国家保障の考え方からすると、現状のように簡単にツーリストとしてサイパンに入国はできなくなる。
そのため国家の予算減収を何とか食い止めるため、6ヶ月間の実施延期や、現在の自治を守ろうとする運動が活発化している。

留学生もビザに関しては同様だ。学生も今後はアメリカのビザ基準に準じることになることは明らかで、現在CNMI(北マリアナ連邦)の商務局は、学生ビザやスポンサードビザの基準作成のため、各学校の校長を集め、説明会や意見を聴取している。

私もそのメンバーの一員として参加しているが、アメリカの学生ビザの基準をベースにしながら、CNMI独自の基準を作ろうと躍起になっている。
大切なことではあるが、いっそのことアメリカ基準にしてしまった方が、不公平感がなく正規な基準のもとで学生ビザを発行した方が、留学生も安心で迷うことがないと思うのは私だけなのだろうか。

サイパンは治安もよく、学校のレベルもアメリカ本土並みに上げってきているのだから、アジア圏から最も近いアメリカ圏という立地条件を最大限に活用して、留学生をもっと受け入れるインフラを整備すべきだと思う。

来月からサイパンに留学されることになった家族の方も私とまったく同じ意見で、自ら留学生やその家族のために、アパートと宿泊施設を開設される予定である。
留学生を持つ日本人保護者がオーナーだから、留学に対する様々なことも周知されているので、日本から来る留学生も安心して長期間滞在することができる。

留学を希望される生徒の保護者からの問い合わせは、学校や勉学に関することも重要だが、子供のステイ先の心配をされるケースが多い。
自分の子が安全に生活できるところなのかを考えると留学に対して消極的になる保護者が多い。
ホームスティは当たり外れがあり、長期間になると特に、その家族と適応していくことが難しい。

サイパンに留学生が安心してステイできる宿泊設備ができることになると、まずその心配はなくなる。
宿泊設備の心配がなくなれば、あとは真剣に英語をマスターし、アメリカの有名大学進学に向かって突き進むのみ。
Kohinoorは、アメリカの大学進学と日本の大学の帰国子女枠対策もフォローできるので、留学生にとって勉学する環境は出来上がっている。

過去10数年間は、何千もの韓国人留学生がサイパンを足がかりに、アイビーリーグへ進学したように、
2009年は日本からの留学生が増えてくるサイパン留学元年になるのではないかと思っている。

2009年2月4日水曜日

英語圏の幼稚園生の通園初日

今年1月中旬に母子で留学を始めたお子さんの、今週が通園始め。
1月中は通園する前の予備レッスンを1日3時間午前中行っていた。

幼稚園で遭遇する場面を想定して、自己紹介・年齢・数字・アルファベット・曜日・時間など幼稚園でのサバイバル英語を特訓した。もちろんトイレに行きたい、のどが渇いた、休憩時間はどう言うのかまで事細かにレッスンした。

いざ初日、お母さんと幼稚園に同行し、クラスの先生に挨拶。もちろん幼稚園生は緊張で固まっているが、何とか母親の手を離れてクラスに入っていった。3時間ほどして迎えに行ったところ、泣くこともせず何とか初日を乗り切ったようだ。

持ち帰ってきた幼稚園の教材数ページ。未だ宿題はない。算数の基礎やアルファベットなど。
数を数えてグラフを作成、MoreやFewerの概念まで含んでいる内容のプリントが印象的だった。

日本の幼稚園でも同程度のレベルらしいが、出題がもちろん英語でされ、先生の説明も英語。
サバイバル幼稚園英語は、もちろん役にたったのだが、実際の幼稚園の授業レベルの英語はやはりハードルが高い。

Kohinoorに通っていたネイティブのピアノの幼稚園生は、確かに日本の幼稚園生が話す日本語と同程度の会話を大人たちと楽しんでいた。
これが重要なポイントである。日本の幼稚園生が聞いて理解できる、話すことができる内容と同程度の英語力が、留学する場合に必要になるということである。

ネイティブの英語力はどの程度か、留学を検討されている生徒の親からよく質問を受ける。
その際にお答えしているのは、小学3年生で英検3級程度ですなど、比較する目安がないので日本の英検やTOEICを引き合いに出して説明している。

実際のところは、その学年で理解できる内容をすべて英語に置き替えれるかどうか(Speaking)、また英語でListening, Readingができるかどうかの判断がより的確である。
保護者が日本の幼稚園の教材を見て、これが英語に置き換わった場合、果たして子供が読めるかどうかが、現地の幼稚園についていけるかどうかを判断すれば良いと思う。

最近は、洋書売り場等で、年齢・学年に準拠したテキストも販売されているのでぜひ試していただきたい。
子供だからすぐに慣れて、話すようになると思われるのは考え違いである。
一般のお子さんの場合、英語に慣れ、ついていけるようになるまで、今までの例を見ていると約数ヶ月~1年はやはり掛かります。

その間、ネイティブの子供たちの2~3倍以上の学習をしないと追いつかないことは当然のことで、英語に接している時間のことを考えるとそれでもまだ足らないくらいだ。
幼稚園生はまだネイティブの子供も、そんなにVocabularyは多くないが、幼稚園生をお持ちのお母さんは、子供が話す言葉の中で使っているまずは単語だけで良いので、すべてその単語を英語に置き換えるトレーニングを子供とされてみてはどうだろうか。
その単語の量にまず驚き、どの程度の英語力が必要かということが一目瞭然判っていただけるはず、幼稚園へ留学するための予備レッスンとしては、きわめて有効である。

2009年2月1日日曜日

サイパンがいよいよアメリカに

2009年6月1日、いよいよサイパンがアメリカ移民局のコントロールの支配下になることが進行し始めた。
今までは、実施時期や具体的な施策について、いろいろサイパン内でも物議を醸し出してきたが、移民局が6月1日以降、CNMI(北マリアナ連邦)自治政府のコントロールから外れることは明確になった。

6月1日以降5年間かけて移行作業に入り、グアムと同様に完全にサイパンがアメリカになることを意味している。
具体的にどう変わっていくかは、これからの進行状況を見ていく必要があるが、サイパン元年になることだけは確かなようだ。

学習塾Kohinoorも、サイパンがアメリカになることをご存じの日本の情報通の保護者の方からの留学問い合わせが、昨年同時期の2倍以上になっている。
キャンプ・短期・母子・長期・正規留学など形態は様々であるが、保護者の考えておられることには共通点がある。

それは、これからの日本の経済状況を憂い、日本の中だけでは子供の世代に、立ち行かない状態に陥ってしまうのではないかという危機感である。
その反面、英語を習得することによって希望的が展開が図れるのではないかという期待感である。

このどちらも当たっていると思われる。英語ぐらいできないと社会で通用しない時代はすぐそこにやってきているのは、世界情勢を見ていても明らか。
逆に英語だけできても通用しない時代が迫りつつあるのもまず間違いないだろう。

それではどうすればよいのか。答えは明白である。英語をビジネスレベルまで引き上げ、専門的な知識を習得しプロになるか、専門的なライセンスを取得するか等である。

日本の名門総合大学出身だからといって、終身雇用を約束される企業はもはや日本のどこにも存在しない。
企業そのものが恒久的に存在することなど、資本主義世界ではありえないことに等しい。

自身がプロとして知識武装し、社会に通用していくために、まず自分自身のスキルを上げていく方向性を考えなければならない。
何がしたいのか、どうやって人生を渡っていくのか、中学生~高校生ならまだ自身である程度の道は構想できるであろうが、年齢的に未だ幼い子供たちにそれを要求することは不可能に近いので、どうしても保護者が子供の方向性を決めざるを得ないことになる。

私がサイパンの各国からの留学生たちを5年間見てきて感じたことは、小学生~中学生時期に保護者が既に方向性を決定し、アメリカ本土を目指し、綿密な計画の元に留学させているということだ。
日本人にありがちな英語が話せるようになればいいといった、中途半端な気持ちではなく、アメリカまたは母国に戻ってエリートになるために、世界一の先進国であるアメリカの大学を卒業することに対して、ファミリー・一家の全勢力の協力下で子供の留学をバックアップしている。

母国より後進国に留学してもしようがない、この単純な理論を判っていない保護者の方が多い。
日本人ならば日本の大学を卒業するか、留学するなら現代ではアメリカしか無いのである。

中国はどうなのだと意見があるだろうが、中国に特化した関係だけで、一生乗り切っていけるのであればそれでも構わないが、その中国はすでに小学校から英語教育を始めている。
中国の方が、英語つまりアメリカとの関係に対する先見性が日本よりも数段進んでいる。

断定的な考え方かもしれないが、アメリカの傘下で生きながらえていく日本という考え方では、もはや通用しない。
アメリカの金融不安を見れば明白なように、アメリカが日本を保護する国力がもはや無くなりつつある。
だから、日本人は自立しなければならない。そのためにアメリカを知りつくし、英語のスキルを活用し、専門的知識で武装したプロとして世界を相手に渡っていかなければならないということが、現在の私の意見である。